イスクラ薬局(東京)

ブログ日記 | イスクラ薬局 六本木店BLOG

ブログ日記BLOG

婦人科のおはなし の記事一覧

血のおはなし① /矢留江里子

「血」のお話①
女性は『血』に左右される⁉

中国では昔から「女子以血為主」といわれます。女性の体は血がもとになっている、という意味です。
質の良い「血」が潤沢にあり、体の隅々までいきわたることで、身体全体は潤い栄養され、爪や髪の毛、肌も潤い、艷やかにします。

もうひとつ、中医学の考えで「血」の働きは、精神、意識、思考など精神活動を支えます。
クヨクヨ、イライラ、不安感、物忘れ、やる気が出ないなど、その人の「血のあり方」はそのままその人の精神、意識を反映する、ということになります。

 

例えば「血」が足りないと、物忘れをする、段取りができなくなる、不安感、不眠などの症状がみられます。「血」に熱が入ると、イライラして怒りっぽい、不眠、生理が早くくる、鼻血などの出血傾向の症状が現れます。

「血」はその人の性格まで変えてしまう⁉
女性の体調を左右し、心身の根深い部分に関わると考えます。
逆に言うと「血」が充分にあって、サラサラと滞りなく循環していることで、意識が明瞭に保たれ、精神は安定し元気に生命活動ができるというわけです。

ではどうすればよいでしょうか
まずは十分な「血」作れる身体になる!
ということで今回は「血」を補う食養生のポイントをご案内します。

【積極的に摂りたいもの】
・胃腸の消化吸収機能を高め、胃腸に負担をかけない食事をベースにする
・赤黒食材を積極的に取る(赤色食材で血を補い・黒食材で血をお掃除するイメージです)
赤色食材:クコの実、ナツメ、山査子、人参、レバー、トマト、いちごなど
黒色食材:黒豆、黒ごま、小豆、しいたけ、ひじき、など
・色の濃い野菜:ほうれん草、小松菜、ブルーベリーなど

【避けたいもの】
・冷たい飲み物、食べ物・生もの・脂っこい食べ物・甘いものなどの菓子類・唐辛子など刺激の強いもの、摂取しすぎに注意しましょう。
胃腸を冷やすと消化吸収の働きが低下し負担をかけます。

偏食をさけ、バランスの良い食生活を心がけて生活しましょう。
睡眠を十分にとること、ストレスを溜めないように心がけることも大切です。

written by 矢留江里子

2020/09/29

百合子先生の婦人科講座 月経前って? No.5


早々の三寒四温の気候で、
皆様、気温の変化にご体調はいかがでしょうか。
こんにちは、加藤百合子です。
月経前症状の最終話、第5回目は 泄泻 =下痢 です。

月経がくる前や、ほぼ同時に、
朝方または起床時に、
下痢を起こして、びっくりしたことはありませんか?
腹痛もなく、勝手に水のように下痢してしまった!
という方も多いのでは。

月経前後の便のトラブルは女性にとって、悩みの一つですね。
月経前はおなかが張りやすく、排便の調子も乱れやすくなります。
排便があれば、便秘も気持ちも解消されます。
しかし、せっかくの排便が下痢になるのも、つらいものです。

これは体が冷えているために起きます。
体を温めている機能が弱いため、
病気や仕事など体力を必要とする時間が長く続いたりすると
燃料切れになり、体を温めにくくなります。
命門火衰と言います。
月経が起こると血液が大量に減ります。ただでさえ体の燃料切れのところ、
かすかな燃料では、体を温める機能を保持できなくなるので、
冷えが一層ひどくなります。
温める機能が腸を温められず、
また、燃料切れで腸の機能が不足するために、
下痢と化します。

足が冷えやすい方、冷えを感じるようになった方、
耳鳴りめまいを持病に持つ方は、
月経前は体を温かくすることが大切です。
薄着に気を付けましょう。
生もののお食事に気をつけて、
温かいお食事をとりましょう。

2020/03/02

百合子先生の婦人科講座 月経前って? No.4


晴天に恵まれ、穏やかな年の始まりとなりました。
皆様にとって、今年も佳い年でありますことをお祈り申し上げます。
加藤百合子です。
月経前症状のお話、第4回目は 頭痛 です。

“今日、頭痛がするので、明日から生理だと思います。”
“生理の時、いつもですか?”
“毎回、そうです。”

こんなやりとりや

“生理前、すごく頭が痛かったんです。生理中は鎮痛剤を飲んでしまいました”
“生理前に、めずらしいですね。”
“そうなんです。ただ痛いのですが、パソコンを見ていられない感じでした”

こんなやりとりもあります。

頭痛は、重く痛い、すごく痛い、頭のてっぺんがずっと痛い
などと、感じ方がさまざまです。
今回は外傷、循環器科、整形外科や脳外科領域など、
何か病気があって起こる頭痛を除きます。
何はともあれ、痛い時は集中して何か考えることが大変ですし、
早く何とかして欲しい!!っという思いになりますね。

日常、楽しく思う時、生活に穏やかさを感じる時、
私達は心と体がとてもリラックスしています。

しかし、楽しくない、気にすることが多い、何となくつらいと思うと。。。
リラックス はなくなり、
その状況が長くなれば。。。
いつのまにか 心は固いバリケード態勢 へと変化していきます。
これは心と体が緊張した状態です。

ため息が多くなり、イライラしたり、
ちょっとしたことで怒りやすくなります。
このような気もちの状態を、中医学では肝気鬱滞といいます。
感情の主役である 気 と、それを調節している 肝 (中医学の五臓の
1つ)の動きが悪くなる状態です。
その流れの悪さに反映し、血液の流れも悪くなります。
これは月経前に多い状態です。

そんな月経前に、目の奥がひっぱられるような頭痛、
空虚感のような頭痛が起きたことはありませんか。
頭が重い、パチッと光が見えることが
合わせて起こることはありませんか。
貧血気味であったり、黄色っぽく白い顔色であったりと、
中医学で表現する血不足の方は、
肝気鬱滞にて、頭痛を起こしやすくなります。

女性は、月経という血液に関する様々なものを、
1ヶ月という短期間で変動しています。
仕事が忙しくてパソコンなど目を使う作業が多かったり、
ダイエットや病気のために食事制限をしていると
頭痛の症状が、はっきり、時に重く感じられます。
月経前は、なるべくリラックスして、睡眠時間を多くとり、
食事のバランスに気をつかいましょう。

 

百合子先生の過去の記事はこちら↓

百合子先生の婦人科講座 月経前って? No.3
百合子先生の婦人科講座 月経前って? No.2
百合子先生の婦人科講座 月経前って?
月経と子宮筋腫5(最終回)
月経と子宮筋腫4
月経と子宮筋腫3
月経と子宮筋腫2
月経と子宮筋腫

 

2020/01/03

百合子先生の婦人科講座 月経前って? No.3


とても暑い夏でしたね。

やっと気温が下がりはじめ、夜には虫の声も聞こえてきました。

百合子先生こと加藤百合子です。

さて、月経前のお話、第3回目はむくみです。

“むくみ”は、浮腫と漢字で書きますが、
文字通りに、体の表面状がふくれる、腫れることを表現しています。
“ふくれる・腫れること”は、感覚だけでなく、実際に鏡で気づくように体表が変化しています。

ふくれている正体は水分です。
西洋医学で説明すると、血管の外に移動した水分で、血管内から正常に排泄できなくなっている状態ということになります。
中医学で説明すると、臓や腑で処理できず、余った叉は溢れた水であり、水湿といいます。

浮腫を月経前に生じる方がいらっしゃいます。

”手がむくんでにぎれません”
”顔が今日は腫れてます”
”足がむくんで、靴が入りにくいんです”
など・・・

こういう方の中に、

*日頃よりお腹がすいてもたくさん食べれない
*たくさん食べれるけど消化が悪い
*お腹が張る

という胃腸の働きが弱い方がいらっしゃいます。

中医学では、胃腸も含めた処理が弱い、すなわち脾気が不足しているということになります。
月経前は子宮に血液がたまって、血行がスムーズになりにくいので、
それに、気が足りない場合、臓腑の処理も弱い状態が加わり、水湿がたまりやすくなり、
浮腫となります。

今年は、湿度の高い梅雨が長く、エアコンの除湿の使用に伴い体も冷えやすく、
気温が極端に上がってからの夏は、冷房に入っている時間が例年より長くなっていましたね。
月経前の浮腫がいつもより早く出たり、重く出る方が多かったように思われます。

このまま夏が終息に向かい、早く乾燥する秋が訪れると良いですね。

2019/08/24

もーりー先生の産後うつと貧血講座

こんにちは。もーりーこと鮎澤です。

私は孫のできる年代に入りました。でも未だに忘れることのできない大きな悔いがあります。

産後1ヶ月頃、真っ赤な顔で泣き叫び続ける赤ん坊に向かい、出血過多で産後の肥立ちが悪かった私は、鬼の形相で、赤ん坊に向かって

「なんで泣くのよ」

 

と大声で叫んでいました。

偶然立ち寄ってくださった3人の子供を育て上げた牛乳販売所のおばさんが

 

「中耳炎だよ」

 

と一言。即、車で医院に運んでくださいました。診察結果は、中耳炎でした。

おばさん、ありがとう、ありがとう。感謝のみです。

私の身体の不調は、神経を病み、痛みで泣き叫ぶ赤ん坊にまで辛く当たってしまいました。

 

そして救いようのない後悔が残りました。

 

【産後うつ、マタニティーブルーについて】

産後うつは、分娩後の女性10~15%に起こり、全ての女性にリスクがあります。一過性の抑うつ(マタニティーブルー)は、分娩後の1週間に多くみられ、比較的軽度であり、2~3日、最長2週間までと言われます。

マタニティブルーの症状はこちら↓

  • 刺激を受けやすい
  • 不安
  • 不眠
  • 涙もろい
  • 激しい気分変動・・・

産後うつ病は2週間を超えて続き、早期に治療を要します。

国立成育医療研究センターの研究発表では、出産から数日後の血液検査で貧血があることが産後うつのリスクになるという結果がでました。出産後4~6日の血液検査で貧血だった女性は、そうでなかった女性に比べ産後うつの割合が高く、ヘモグロビン9.2~10.1と軽度の貧血であったグループでも、産後うつの割合が増加していました。

中医学には、「婦人は血(けつ)をもって本となす」という言葉があります。女性のカラダは血と関係が深い、という意味です。月経や出産などを経験する女性の身体は、血が不足しやすいことが由来だと思われます。

中医学でいう血は全身を巡る血液をさし、健康を維持するために、五臓六腑や組織・細胞に栄養素や潤いを運ぶ働きがあります。さらに血は「静」の特徴をもち“精神を安定させる”という働きもあります。

この「静」の機能が低下すると、情緒不安定になって、落ち込みやすく、ストレスにも敏感になります。

したがって、女性がうつになりやすいのは、体質的に「血(けつ)」の不足から「静」を失ったからと考えられます。

逆に言えば、体内に血が十分あることで、心の不調は起こりにくくなります。

軽いストレスやうつ気分などの小さな不調を悪化させないためにも、体質を整えながら、精神を安定させるケアを心がけましょう。

出産後の母体を漢方的にいうと気血の不足した衰弱状態(気血両虚・・きけつりょうきょ)です。

妊娠中は、胎児を育てるために気血が大量に消費され、さらに出産時の出血が血虚(けっきょ、血が少ない状態の意)に拍車をかけます。気血はカラダと心の健康を支えるエネルギー源です。エネルギー源である気血が不足すれば、体調を崩しやすく、落ち込みやストレスに対抗するエネルギーも弱くなってしまいます。

 

【自分の気血をチェックしよう!!】

血虚(けっきょ)の症状を簡単にいえば『血液、精神の安定機能の低下』です。

以下の症状に当てはまる箇所が多いほど、血が不足している可能性が高いです。

  • 情緒不安定
  • 落ち込みやすい
  • 睡眠障害
  • めまい
  • 動悸
  • 顔色が悪い
  • 悪露が止まらない
  • 記憶力の低下
  • 脱毛
  • 舌 淡い色・・・

また『血』が不足すると同時に『気』も不足することがあります。気が不足した状態は気虚(ききょ)といいます。簡単にいうとカラダのエネルギーの低下です。

以下の症状に当てはまる箇所が多いほど、気が不足している可能性が高いです。

  • 気力が出ない
  • 疲れやすい
  • 朝からだるい
  • ストレスに弱い
  • めまい
  • 息切れ
  • 汗をかく
  • 食欲不振
  • 声が小さい
  • 風邪をひきやすい
  • 舌 大きく歯型がつく・・・

 

【食養生】

「血」や「気」は主に「脾胃(消化器系)」が消化吸収する栄養素から生み出されます。そのため、「血」の不足は、脾胃を元気にすることが大切です。

授乳をすると、喉も乾きやすくなりますが、冷たい飲み物やなま物で身体を冷やす事は禁忌!!

脾胃の働きを低下させます。甘みのあるものや温性の食材で気・血を補うことが大切です。

  • なつめ・クコの実・落花生・くるみ・黒ごま
  • 人参・ほうれん草・かぼちゃ・山芋・ジャガイモ
  • いんげん豆
  • 鮭・鶏肉・豚肉・羊肉・レバー・卵
  • 大豆製品・小麦・黒砂糖・きなこ・・

などがオススメです。

もーりー先生の過去の記事はこちら↓

もーりー先生の髪のトラブル漢方養生講座

もーりー先生の月経前大人ニキビ対策講座

もーりー先生の【見た目年齢を若くする】講座

もーりー先生の春、イライラ、不安、ストレス対策講座

もーりー先生の花粉と戦うための養生講座

もーりー先生の2月の養生講座 花粉症対策

もーりー先生の肩こり解消講座

もーりー先生の体にいいお茶(花茶)講座 

もーりー先生の婦人科講座 女性28歳~42歳の残暑の養生 

茉莉先生の月経講座 ~月経量について~

茉莉先生の中医講座 ~重い冷え性 実は 「冷えのぼせ」~

2019/08/13

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売