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仝(トン)先生に花粉症についてインタビューしてみた!後編

こんにちは!中神(ぴーてん)です( ´ ▽ ` )ノ

次回に引き続きメルマガ購読者限定の耳鼻科専門、仝(トン)先生に花粉症について、インタビュー第二弾!

前回お見逃しの方はこちら ※暗証番号は0001

仝(トン)先生って?と思う方に、まずは簡単なプロフィールから↓


仝(トン)先生プロフィール

中国名老中医である蔡福養教授の耳鼻喉学術経験継承人。中国では、内科・耳鼻咽喉科などで1万人以上を診療してきました。もちろん日本でも数多くの相談を経験した耳鼻咽喉のプロフェッショナルです。


それでは仝(トン)先生の花粉症に対するインタビューの続きをどうぞ( ´ ▽ ` )ノ

 

 

中神:せんせい!花粉を予防する方法を中医学目線で教えて下さいm(_ _)m

仝(トン)先生:まず、体を温めることは大切です。そして、肺脾腎を守り、肺と脾の気を補い、脾と腎の陽を養うことが基本となります。

中神:肺を守るとは具体的に大気汚染から身を守る。脾を守るとは具体的に脂っこいもの甘いもの味の濃いものを避ける。腎を守るとは具体的によく寝る、などの養生をする。そして肺と脾の気を補うこと、例えばイモ類やはちみつを食べる。そして脾と腎の陽を補うこと、(脾腎陽を補う食べ物を調べて追加する)

仝(トン)先生:はい、とても良いと思います!

中神:ありがとうございます(〃∇〃)

せいせい!中国では花粉症はありますか?また、似たような症状はありますか?

仝(トン)先生:中国においても、古くから「鼻鼽(びきゅう)」という表現がありました。現在、中国の病院において、アレルギー性鼻炎と同等に使う言葉です。ですが民間では、鼻鼽ではなく「花粉症」という言葉が段々と定着しているような気がします。症状は、日本の花粉症と同じです。

中神:なるほど、くしゃみ、鼻水などの症状の事をまとめて鼻鼽(びきゅう)といいますね。でもその言葉は使われず「花粉症」という言葉を使い始めている…日本の「花粉症」という言葉が中国に入ってきたのかもしれませんね。

仝(トン)先生:そうかもしれませんね。

中神:はい、では、次の質問です( ´ ▽ ` )ノ

日本の花粉に第一選択として必要な中成薬は何でしょうか?もちろん体質もみないと…だとは思いますが、よく使われる中成薬を教えて下さいm(_ _)m

仝(トン)先生:日本では小青龍湯や葛根湯などの中成薬がよく使われます。悪くはありませんが、この中成薬は麻黄という生薬を使っています。麻黄を長く服用することは、危険です。2週間以上連続して服用することは危険です。なので、玉屏風散を第一選択とすることが、オススメです。

中神:私も店頭で、小青竜湯や葛根湯を1ヶ月飲み続けて、激しい動悸、激しい寒気で震えが止まらないなどの症状を訴える患者様にお会いしたことがあります。本当に危ないと感じました。玉屏風散は激しい副作用が発生したという話は聞いたことがありませんし、第一選択としては良いですよね!

仝(トン)先生:はい、玉屏風散でしたら麻黄の入っている中成薬のような危険な状態にはならないでしょう。

中神:そうですよね。このことについて知らない方がたくさんいらっしゃるので、しっかりと啓蒙します。

せんせい!次の質問です。花粉、気温、中成薬の関係があれば教えて下さいm(_ _)m

仝(トン)先生:東北などの寒い地域の患者様は、脾腎陽虚体質が多いので、独歩顆粒、シベリア人参、イーパオなどをオススメです。沖縄などの暖かい地域の患者様は、気陰両虚体質が多いので、麦味参顆粒、衛益顆粒、香西洋参などをオススメです。盆地などの湿度が高い地域の患者様には、湿熱体質が多いので、勝湿顆粒、温胆湯、五涼華などをオススメです。

中神:寒い地域の方は身体を冷やすので、温める性質のある独歩顆粒、シベリア人参、イーパオがオススメ。

暖かい地域の方は元気がなく乾きやすいので、元気にする性質のある麦味参顆粒、衛益顆粒、香西洋参がオススメ。

盆地などの湿度が高い地域の方は、余分な水や熱が発生しやすいので、余分な水や熱をとる勝湿顆粒、温胆湯、五涼華オススメ

という事ですね!地域性を考えて漢方をオススメする…すっごく大事なことですね。

中神:せんせい!今までたくさんの患者様を診られてきたと思いますが、その中でも「重症だ」と思った花粉症の患者さまがいましたら、教えて下さい。

仝(トン)先生:35歳の女性、日本人、独身、占い師の方です。一日で座ってる時間が非常に長く、慢性的に運動不足。そして朝は朝食は食べない、昼食はパン食とアイスコーヒー、夜は値下がりした弁当、という生活を20年以上を続けていた患者様の花粉症はとても重症でした。

中神:運動不足、朝食抜き、昼はパンとアイスコーヒーと身体を冷やす行動のオンパレードですね。そしてその生活を20年とは…長いですね。完治まで相当時間がかかる気がします。

仝(トン)先生:はい、生活環境を改善できないと治療は難しいです。

中神:せんせい!花粉症を早く治す秘訣などはありますか?

仝(トン)先生:体を温め、冷たい物を避けて、適度な運動をして、充実な睡眠をとる。また動物タンパク質の摂取量を少なくすることも効果的です。そしてなんと言っても【体質に合う漢方薬を飲む】ことが大切です。

中神:動物性タンパク質は腸内で異物と判断されやすく、アレルギー反応を助長させるので、花粉症が発生している期間は少なくすると良いですよね!そして最後は漢方ですね( ´ ▽ ` )ノ

仝(トン)先生:はい、そうです。漢方薬大事です。

中神:治らなかった花粉症の患者様はいますか?

仝(トン)先生:冷たい物が好き、運動不足、肉食や薄着などの生活習慣を改善しないまま、薬に頼りすぎた方です。毎年花粉のシーズンだけ、薬を使って症状を収める。そして毎年それを繰り返す人は、治らなかったです。

中神:確かに、どの治療でもそうですが、生活習慣が乱れていれば、どんなに良い漢方薬を飲んでも、症状の改善に繋がりませんね。

せんせい!最後に日本から花粉症を根絶するために、何か良い方法があれば教えて下さいm(_ _)m

仝(トン)先生:真冬でも薄着の習慣を止め、年中無休の冷たいもの摂る習慣を止め、適切な運動、充実な睡眠、肉食から素食に変化させることが大切だと思います。

中神:日本は当たり前のように冷たいものを飲食して、薄着で身体を冷やす習慣が根付いてますからね。花粉症に悩んでいる皆さん気をつけて生活しましょう( ´ ▽ ` )ノ

 

2回に分けて投稿した「仝(トン)先生花粉症インタビュー」如何でしたか?

実はインタビュー側の私が一番勉強になったかもしれないです。

 

これからもメルマガ限定の記事を書きますのでお楽しみください。

2020/03/12

百合子先生の婦人科講座 月経前って? No.5


早々の三寒四温の気候で、
皆様、気温の変化にご体調はいかがでしょうか。
こんにちは、加藤百合子です。
月経前症状の最終話、第5回目は 泄泻 =下痢 です。

月経がくる前や、ほぼ同時に、
朝方または起床時に、
下痢を起こして、びっくりしたことはありませんか?
腹痛もなく、勝手に水のように下痢してしまった!
という方も多いのでは。

月経前後の便のトラブルは女性にとって、悩みの一つですね。
月経前はおなかが張りやすく、排便の調子も乱れやすくなります。
排便があれば、便秘も気持ちも解消されます。
しかし、せっかくの排便が下痢になるのも、つらいものです。

これは体が冷えているために起きます。
体を温めている機能が弱いため、
病気や仕事など体力を必要とする時間が長く続いたりすると
燃料切れになり、体を温めにくくなります。
命門火衰と言います。
月経が起こると血液が大量に減ります。ただでさえ体の燃料切れのところ、
かすかな燃料では、体を温める機能を保持できなくなるので、
冷えが一層ひどくなります。
温める機能が腸を温められず、
また、燃料切れで腸の機能が不足するために、
下痢と化します。

足が冷えやすい方、冷えを感じるようになった方、
耳鳴りめまいを持病に持つ方は、
月経前は体を温かくすることが大切です。
薄着に気を付けましょう。
生もののお食事に気をつけて、
温かいお食事をとりましょう。

2020/03/02

仝(トン)先生に花粉症についてインタビューしてみた!前編

こんにちは!中神(ぴーてん)です( ´ ▽ ` )ノ

今回はメルマガ購読者限定の記事を作成しましたよ。

第一弾は耳鼻仝(トン)先生に花粉症について、インタビューです!

 

仝(トン)先生って?と思う方に、まずは簡単なプロフィールから↓


仝(トン)先生プロフィール

中国名老中医である蔡福養教授の耳鼻喉学術経験継承人。中国では、内科・耳鼻咽喉科などで1万人以上を診療してきました。もちろん日本でも数多くの相談を経験した耳鼻咽喉のプロフェッショナルです。


プロフィールから察するお硬そうなイメージ…

 

ところがどっこい(笑)。

 

チャーミングで明るい性格、年齢不詳、そしてイケメンという親しみやすい大人気の先生です( `・∀・´)ノヨロシク

 

それでは仝(トン)先生の花粉症に対するインタビューをどうぞ!!

 

 

中神:せんせい!こんにちはm(_ _)m

仝(トン)先生:はい、こんにちは。

中神:早速ですが、花粉症について質問攻めにしたいのですが宜しいですか?

仝(トン)先生:なんでも大丈夫ですよ!ははははは!

中神:ありがとうございます(〃∇〃)

花粉症は、どうして発生するのですか?中医学的に教えて下さいm(_ _)m

仝(トン)先生:花粉症はくしゃみ鼻水など、鼻局部の症状が発生しますよね。しかし、鼻局部の病気とは考えないところが中医学の基本です。中医学では整体観念(せいたいかんねん)の立場で、全身をみて考えます。基本的に、肺気虚、脾気虚、腎陽虚の体質です。つまり、肺脾腎の虚弱と気虚と陽虚の体質ということです。このタイプの人は、粘膜のバリア機能が低下しやすく、風寒湿の邪気が体に侵入しやすくなります。風寒湿の邪気に身体が侵されると、アレルギー反応が発生しやすくなり、花粉症が発生します。

中神:なるほど、簡単に言い換えたら、花粉症は鼻だけを治療するのではなく、全身症状や気候なども考慮して考える。そして肺脾腎が弱っている人、元気のない人や寒がりの人はバリア機能が弱い。バリア機能が弱いから風や冷えや湿気などの影響を受けて花粉症の症状が発生する。ということですね。

仝(トン)先生:その通りです!

中神:ありがとうございます!せんせい!次の質問です( ´ ▽ ` )ノ

花粉症の主な症状に、透明な鼻水or黄色い鼻水、目の痒い人or痒くない人など症状の違いがありますが、この症状の違いについて詳しく教えて下さいm(_ _)m

仝(トン)先生:はい、店頭において、花粉症の8割程度の人が透明な鼻水です。これは肺脾腎の虚弱、気虚と陽虚の体質の人。つまり寒邪が強い冷え体質の特徴です。また花粉症の2割程度の人が黄色い鼻水です。これは、肺胃に湿熱が蓄積、副鼻腔炎と混合される体質、つまり湿熱体質の特徴です。目、鼻、耳の痒みは場所が違っても、痒みがあれば基本的に風邪(ふうじゃ)が強い、または気虚の特徴です。

中神:ほほぉ、簡単に言い換えると、エネルギー不足の冷え体質の人は透明な鼻水。体内にドロドロしたもの(湿熱)がある人は黄色い鼻水ということですね。また、痒みは部位が違えど全て風邪(ふうじゃ)かエネルギー不足によるものということ。

仝(トン)先生:そうです、そうです。

中神:わかりやすくご説明していただき、ありがとうございます( ´ ▽ ` )ノ

それでは次の質問です!花粉症が発生しやすい方の私生活に何か特徴はありますか?

仝(トン)先生:関連が強い順に、冷たいものを摂りすぎ、お洒落な薄着、運動不足、油っぽい物を摂りすぎ、栄養過剰、夜ふかしなどです。

中神:どれも日常的に多くみられる行動ですね。気をつけます(´・ω・`)

中神:せんせい!花粉症の相談の際に意識していることはありますか?

仝(トン)先生:症状が発生している季節と継続時間。つまり、普通の風邪(かぜ)と区別するべきです。

中神:確かに!花粉症と普通の風邪(かぜ)は同じ症状が発生していることがありますね。でも症状が発生している季節と症状が発生している期間をよく聞いて普通の風邪と区別する。普通の風邪でしたら症状が発生してもせいぜい1~2周間で症状が治まりますからね。

勉強になります( ´ ▽ ` )ノ

中神:せんせい!花粉症相談のポイントを教えていただきたいですm(_ _)m

仝(トン)先生:発症された病歴と年数を考えます。どのくらい虚弱体質が継続しているかは非常に参考になります。そして先程申し上げた、鼻水の色(透明or黄色)も大切です。透明が気虚陽虚体質で、黄色が湿熱体質です。これは弁証論治の基本です。そして頭痛があるかないかも大切です。これは、蓄膿症や風邪などの病気と区別する際に参考となります。また冷たい物の取る習慣があるかどうか?運動されるかどうか?睡眠時間の確認など基本的なことも大切です。

中神:病歴が長いことで、風邪ではないという判断と腎虚があるという判断ができますね!そして鼻水の色で冷えor熱がわかる。頭痛も花粉症だけでは発生しない。他の基本的な質問で、身体のどこが崩れて花粉症が発生しているかも見極めるということですね。

仝(トン)先生:そうですやはり花粉症も整体観念が大切ということです。

中神:大変勉強になりますm(_ _)m

 

次回も仝(トン)先生花粉症インタビューの後編をお届けします。

 

2020/02/15

もーりー先生の肩こり【美人系onキャリア系!?】冷え #4

明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い申し上げます 

  

前回は色白でどちらかといえばポッチャリ型、おっとり優しい感じ、美人系痰湿(たんしつ)タイプの肩こりと、パワフルで積極的、イライラ型、キャリア系気滞(きたい)の肩こり、そして瘀血 おけつの肩こりをお話しました。※この記事の最後にリンクがあります。

今回は寒さからの肩こりについてお話します。

冬の寒さで、血管が収縮し、筋肉の血行や老廃物の流れも滞り、肩こりや痛みが起こりやすくなります。冬は、日頃の肩こり状態に厚着やコートを着たりしますから肩への負担も多く、肩こりを悪化させてしまいます。

こうした冷え(夏は冷房)による肩こりは、急性症状も多く、血行不良「瘀血 おけつ」の要因にもなります。

寒さからの肩こり対処法

 体内の「気 エネルギー」や「血 けつ」が不足していると冷えのダメージを受けやすくなります。虚弱体質、疲れが溜まっている人、高齢の方、風邪を引きやすい人などは特に冷えから身体を守りましょう。

冷えて肩こりや痛みを感じたら、すぐに身体を温めることを考えて!!

その日は、入浴で身体を温め、筋肉をほぐし、血行を良くしましょう!!


症状

・冷えで、肩こりや痛みが悪化

・急性期に多い(突然起こる肩こり)

・肩や首の痛みが出やすい

・冷え感

・悪寒

・頭痛

・疲労倦怠

・舌 苔が薄く白い

食養生

・生姜・山椒・シナモン・フェンネル・八角・ネギ・・

(薬味やスパイスは、少量づつ使いましょう)

・山椒・生姜・にんにく・ネギ・シナモン・八角・くるみ

・ニラ・かぼちゃ・りんご・紅茶・羊肉・・・

 

避けたい食べ物

・刺し身などの生もの

・冷たい飲み物や食べ物

・唐辛子などの刺激の強いもの

身体全体を温めるには、胃腸の消化吸収を高め、胃腸に負担をかけない食事が基本。

胃腸を冷やすと、消化吸収機能の低下、激辛は、消化機能に負担をかけます。

火を通した調理を (^_-)

もーりー先生の過去の記事はこちら↓

もーりー先生の肩こり【美人系onキャリア系!?】瘀血 #3

もーりー先生の肩こり【美人系onキャリア系!?】気滞 #2

もーりー先生の肩こり【美人系onキャリア系!?】痰湿 #1

もーりー先生の夏の疲労回復講座

もーりー先生の産後うつと貧血講座

もーりー先生の髪のトラブル漢方養生講座

もーりー先生の月経前大人ニキビ対策講座

もーりー先生の【見た目年齢を若くする】講座

もーりー先生の春、イライラ、不安、ストレス対策講座

もーりー先生の花粉と戦うための養生講座

もーりー先生の2月の養生講座 花粉症対策

もーりー先生の肩こり解消講座

もーりー先生の体にいいお茶(花茶)講座 

もーりー先生の婦人科講座 女性28歳~42歳の残暑の養生 

茉莉先生の月経講座 ~月経量について~

茉莉先生の中医講座 ~重い冷え性 実は 「冷えのぼせ」~

2020/01/18

中神(ぴーてん)の自然と身体はつながってるお話(寒邪の話)

こんにちは!中神です!

春並みに暖かい正月からの冬らしい気候。寒さで身体が不調となる人もチラホラいらっしゃいます。皆様は体調崩されていませんでしょうか?

毎年1月に風邪の有病率はピークとなります。ウイルスは基本的に高温多湿を嫌うので、1月の低気温、低湿度の環境を好んで増えることが原因と考えられています。

冷たい風が吹けば、身体がブルっと震え、くしゃみ鼻水がでる、なんてことがありますよね。そのくしゃみ鼻水の発生原因はウイルスかもしれませんが、今回は中医学のお話。

中医学は【自然と人間の身体のつながり】を重視した学問です。そんな自然と中医学のつながりについてお話しさせていただきます。

 

《自然界の気候について》

まず、自然界にはどのような気候があるのでしょうか?中医学では風(ふう)寒(かん)暑(しょ)湿(しつ)燥(そう)火(か)の6つの気候があると考えており、これらを六気(ろっき)と呼びました。この六気が過度に人体へ影響を与えれば体調不良になります。また、影響が少なすぎても体調不良になります。

 

例えば寒い季節に外出して過度に身体を冷やせば、月経痛がひどくなる、元気がなくなる等の症状が発生するでしょう。これは六気の「寒」が過度に身体を冷やしたことによって発生した症状です。冷やすと暖める力が失われ、そして体内の【気、血】の動きはスローになります。血がスローになり渋滞を起こせば痛みが発生し、気がスローになれば元気がなくなります。

 

また寒い季節…のはずが、寒くない。という日もあります。そもそも身体は冷えに備えて温めようと代謝量を増やしているのですが、寒くないので身体が温まりすぎて体調不良が発生するということもあります。

 

六気の影響が過剰でも不足してもダメだ!ということです。

 

その他に、季節に相応しくない気候、言い換えたら狂った六気に身体がついていけず病気になる(例 夏なのに寒い等)パターンや、身体が虚弱で気候の変化についていけず病気になるパターンもあります。

六気という言葉を用いると、複雑な話に見えるかもしれません。

でも、六気を【自然界の気候】と言い換えれば、特別な話ではなく日常生活に溶け込んでいる話かと思います。

 

でも中医学の面白いところはここから!(だと思う)

 

中医学ではよくあることですが、同じ事柄でも振る舞いが変われば名前が変わるということです。

 

先程までは六気についてのお話をしました。ですが、例えで述べたように六気が身体を犯す場合があります。その場合は六淫(ろくいん)といいます。

 

六淫は「六気が外邪として身体に侵入(ホントは侵淫)」するので、その名が付きました。

ここで出てきた外邪(がいじゃ)は「外から来た悪いやつ」との意味があります。現在で言えばウイルスや菌などが外邪にあたるでしょう。

 

六淫は六気と同じく六匹(?)います。

風邪、寒邪、暑邪、湿邪、燥邪、火邪の六匹です。

今回は寒邪の特性に焦点を当ててお話します。

※バイソン、めっちゃかっこよくないですか?(*´∀`)

 

《寒邪について》

寒邪は気温が比較的低い冬や気温が急激に下降した時に、寒さと共に身体に侵入してきます。「さむっ」と感じた時には寒邪が皮膚にくっついている、とイメージでよいです。

世の中の全てのものは陰陽どちらかに分けられるのですが、寒邪は「陰」の性質があります。したがって、陰と相対をなす「陽」を傷つけます。陽は暖める作用があるので、傷つけられれば暖める力が弱くなります。

寒邪は身体のどこの陽を傷つけるかで傷寒(しょうかん)と中寒(ちゅうかん)の2つに分類されます。

【傷寒(しょうかん)】

身体の表面に寒邪が影響すると、身体を暖める力と外敵から防御する力が低下します。身体の表面には陽気が広がっています。陽気は身体を温め、外敵から防御をしているのですが、陽なので、陰の性質のある寒邪にとても弱いからです。寒邪に陽が傷つけられれば、陽は動きがスローになります。そして、暖める防御することができなくなり、悪寒(おかん)、悪風(おふう)といった症状が発生します。

このような場合に麻黄湯や葛根湯や桂枝湯などの漢方薬を使用します。

【中寒(ちゅうかん)】

身体の内部に寒邪が影響すると、体内の自覚的な冷えと臓腑の機能低下が発生します。体内の臓腑は陽の力で動いています。寒邪が陽を傷つければ臓腑の動きがスローになり、機能低下が発生します。特に心の機能(心陽)低下からやる気減退、胃腸の機能(脾陽)低下から下痢や腹部の張り、泌尿器や生殖器の機能(腎陽)低下から頻尿や生殖機能の低下などが発生しやすくなります。

このような場合は人参湯などの漢方薬を使用します。

 

《寒邪から身体を守ろう》

では日頃からどのようなケアをすれば寒邪に侵入されないのでしょうか。

結論からいえば【身体を冷やさない】ことです。当然ですよね( ´ ▽ ` )ノ

特に足首の三陰交(さんいんこう)というツボ周辺と、首周りの缺盆(けつぼん)は冷やさないようしっかりとガードしましょう。

 

また身体を温める食材はクルミ、羊肉、鹿肉、鶏肉、エビ、ナマコ、鯵、黒砂糖などを適宜摂取することがオススメです。オススメのスパイスは五香粉やジンジャーパウダーです。温めて豆乳や牛乳に前述のスパイスをいれると、チャイっぽくなり美味しいです。ただし、温める食材は体質によって摂取しないほうが良い人もいます。具体的には炎症性の疾患を発症している、かゆみがある、のぼせ、身体が火照るなどの症状がある人は専門家に相談して食していただくと良いです。

 

以上です。

それではまた( ´ ▽ ` )ノ

 

中神(ぴーてん)の過去の記事はこちら

中神(ぴーてん)の食べすぎについてのお話

中神(ぴーてん)の冬季うつ病について

中神(ぴーてん)の風邪予防と対策について

睡眠とはなにか? 現代過去と不眠の関係

血について様々な角度から考える

 

2020/01/16

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売