イスクラ薬局(東京)

ブログ日記 | イスクラ薬局 六本木店BLOG

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攻めの姿勢

メリー・クリスマス!
近くのコンビニの前で、サンタの帽子を被った可愛いお姉さんが
寒空の下クリスマスケーキを売っている姿を見ると、あーこの季節が
やっときたんだと実感します。。。HAPPY X’MAS。
 

12月21日から開催されていたフィギアスケートご覧になりましたか?
今年の全日本選手権は数々のドラマがありましたね。
オリンピック、怪我、引退、世代交代、、、等など選手にとって
プログラム以外のところで様々な物語があっただけに
感動の連続で泣きっぱなしでした!!
 
◎高橋大輔さん
→ひざの影響を考えたら4回転ジャンプを1回だけにするという選択も
あったのではないかとインタビューされて
「4回転1本にすれば良かったという気持ちはいま思えばありますけど、
やってしまいましたし、いままであまりやらずにということはしてこなかったので
自分らしいと思います。
 
◎浅田真央さん
→ 3位決定後のインタビューでトリプルアクセルを2回挑戦したことについて
「自分の目指していた演技ができなかったので悔しいです。
(トリプルアクセルは)今日も1発目がきれいに決まっていれば、
2発目も分からなかったんですけど、今年決めるのはこれがラストチャンスだったので、
1回でも決めたかったというのがありました。だから2回目も挑戦しようと。
 
◎安藤美姫さん
→序盤に3回転ループを予定していた2つ目のジャンプを、自身の持つ最高難度の
  サルコー―ループに変更したことについて
「今できる自分のスケートでまとめて、できるだけきれいに終わるか、
ショート(プログラム)とは違うコンビネーションを入れて自分らしく終わるか、
迷ったんですけど、きれいにまとめるよりも、やっぱり自分らしくいたかったんで。
難しい方の演技構成にして、結果やっぱり不安ばっかり残ってしまって。
勢いに乗れなかったかな
 
彼、彼女らが今まで数々の「世界ー」「初」を成し遂げて来られたのは
この攻めの姿勢があったからこそですよね。
 
どの世界でも牽引していく人や企業はそういう姿勢であって欲しいし
そうでないとその業界自体が発展、レベルアップしていきませんものね。
 
2014年も前のめりと攻めの姿勢を忘れず頑張っていきたいです。
木下
 

2013/12/24

美容にも、冷えにも良くって精もつく!「ニラ」のお話

ブログをできるだけ毎日書いておりますが、内容によって人気度が違います。何となく書いた記事が人気だったり、力を入れたものがいまいちだったり、どういった内容がより多くの方に読まれるのか、いまいち流行を感じ取る力に欠ける櫻井です。どうぞよろしく。
今日は、先日書いた「春菊」のブログがご好評いただいたようなので、今日は「ニラ」のお話をしてみたいと思います。
ニラとは
中国の西部が原産といわれる「ニラ」。日本で栽培され始めた歴史は古く、9~10世紀ごろといわれ、古事記や日本書紀、万葉集のなかにもその記述がみられます。ニラは、万葉集では『久々美良』(くくみら)、古事記では『加美良』(かみら)と記載されており、古代では「ミラ」と呼ばれていたようです。その後この「ミラ」がなまって「ニラ」になったそうです。 江戸時代ごろからは薬草として栽培されるようになります。中医学では今でも、ニラの種子を乾燥させたものを  「韮子(きゅうし)」といって、腎を温めて冷えをとる(精液の漏れ、白色のオリモノ、寒がり、冷え、頻尿、夜間多尿などに)ための生薬として使われています。
現在のように野菜として一般に広く食べられるようになったのは戦後になってからという、古くて新しい野菜です。
美肌にも、冷えにも、胃腸にもよくて精がつく
ニラのあの独特なにおいのもとは、ネギや玉ねぎと同じ成分の「硫化アリル」という物質です。独特な臭いを持ち、好き嫌いをつくってしまう要因ですが、この臭いが重要で、体内でのビタミンB1の吸収を高め、肉や魚の生臭さを緩和する働きも持っています。骨を強くして骨粗しょう症や骨折を予防するビタミンK、ガンを抑制したり、免疫を高める力のあるβカロチン、強い抗酸化作用をもち、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防に役立つビタミンE、コラーゲンの合成に不可欠なビタミンCも豊富です。その他、葉酸、カリウム、食物繊維、ビタミンB6なども含み、栄養豊富な食材です。冷えの改善や病気の予防の他、美肌やアンチエイジングにも効果が期待できます。ニラは生のもの1束(可食部約100g)で大体23kcalと、ダイエットにも向いていますね。
強いぞニラ!
ニラはとても強く、栽培しやすい植物です。根本近くから刈り取っても同じ株から再び新葉が伸びてきて、年3回ほど収穫できます。切り取った株はそのまま越冬できます。どんどん大きくなるので、株分けすることで簡単に増やすことができます。北海道や東北など寒い地方では体が温まり精がつく野菜として古くから親しまれてきましたが、今では北海道から沖縄まで全国で作られています。ニラの生産量が一番多いのは、高知県です。なんと国内の販売量の4分の1を担っているそうです。黒潮が流れる高知は、一年を通して温暖で日照時間も長く、通年栽培が可能なんだそうです。その次は宇都宮餃子で有名な栃木県。その2県で全流通量の60%をカバーしているそうです。1年中手に入るので、旬がないように思われますが、ニラがもっともおいしくなるのは、葉肉が厚く柔らかくなる冬から春にかけての2月ごろが旬とされています。
美味しいニラの選び方
美味しいニラを選ぶのには、まっすぐ伸びた葉の色が深い緑で艶があって、肉厚で、手で持った時に張りがあり、根元を持ってもしなだれないものを選びましょう。鮮度が落ちると葉の色は薄くなり、黄色実を帯びてきます。刈り取られた切り口も確認して、切り口が瑞々しく新しいものを選ぶようにしましょう。葉は折れたところから痛み始めるので、折れた葉が無いものを選びましょう。

冷蔵庫で保存する場合は、乾燥を防ぐために濡らした新聞紙にくるんで、野菜室へできれば立てていれてください。鮮度が落ちると香りが弱くなり、ニラ本来の美味しさを失うのでなるべく早く食べましょう。調理する時は、加熱を手早くすることで、風味も触感も保てます。煮るときは1~2分。炒めるときも強火でざっと炒めましょう。脂溶性のベータカロチンやビタミンEは炒め物とも相性が良いですね。


ニラまんじゅう #lunch / is_kyoto_jp


レバニラ / ZoAmichi

禅宗では禁忌とされている
っと、ニラについていろいろ探っていると、またまた興味深いこと発見をしました。
骨にもよくって、美肌にも良くって、元気にしてくれるニラなんですが、仏教の一つ、禅宗などでは「五葷」(ごくん)といって、食べてはいけないものとされています。五葷は中医学とも関係の深い「五行説」がもとになり、戒めをつくっているそうです。五葷には、ニラのほか、ネギ、ラッキョウ、浅葱、玉ねぎなどがあります。これらには、身体を元気にするほか、精力をつける食材ともされ、一種の興奮作用もあることがから、常に中庸(まんなか)、平穏をよしとする仏教の中では忌むべきものなのかもしれませんね。
中医学的に見ると
ニラには、腎の働きを高め、冷えを追い払い、身体を温める作用があります。性味はもちろん温性で味は辛味。冷えなどを発散させる力があります。血をサラサラにして流れやすくする作用、痛みやしびれを改善する作用などがあり、冷えや腰痛改善の他、鼻血、血尿、吐血などの出血や、血栓を予防する力もあるとされています。そのほか、解毒の力もあり、食べてから長時間経てからの嘔吐などにも効果的です。
今年も残るところあとわずか。もう10日しかないんですね!!これからますます寒くなりますが、ニラを食べて、元気をつけて忙しい時期をのりきりましょう!

2013/12/21

神様のお供え物?体に良いから?『初潮の「赤飯」』のお話 

こんにちは、櫻井です。今では知っている方も少ないと思いますが、昔は「女子が初潮を迎えると赤飯を炊く」という習わしがありました。私が小さいころでも見かけることはありませんでしたが、父や母の時代ではあったようです。先日たまたまスタッフとそんなことを話していて、ふと疑問になったのが、この「初潮に赤飯」の由来です。ということで今日は「赤飯」のお話です。
 

 
赤色は邪気を祓う
古代から赤い色には邪気を祓う力があるとされていました。神社の鳥居や神殿が赤いのも、墓室や壁画に赤が多用されているのもそのためなようです。赤い色は太陽や血の色、火の色と関連され、人を高揚させる色として認識されきたと同時に、神聖な色としても扱われてきました。陰陽五行説でも、赤色は火の色で、「五臓六腑の主」とされ、人体の一切の生命活動を統帥している「心」の色とされています。
縄文時代ごろに日本に初めて伝わってきたお米は、赤みを帯びたお米でした。日本では自然信仰があり、様々なものに神様が宿るというのが土着の信仰ですが、その神様にお供え物するときにこの米が使われていたようです。お祈りの時、お祝いをするとき、蒸した赤い米を供え、お供えした後に自分らで食べていたのが、「吉行事に赤飯」の始まりと考えられています。今では白い米やもち米に小豆で色を付けたもので代用していますが、昔は米そのものが赤かったようです。

 
赤飯を中医学的に見てみると
もち米は昔から元気のでる食材として体力回復や母乳の出を良くするのに良いとされてきました。もち米は温性で、身体を暖めます。古代の薬物書物『本草綱目(ほんぞうこうもく)』にも、餅は「益気暖中(えっきだんちゅう)」とあり、胃腸を温めて元気をつけるとされています。力うどんや力そばなどには餅は欠かせませんよね。
日本で小豆が食用とされていた歴史は古く、なんと縄文遺跡からもその痕跡が発掘されてるほか、「古事記」にも記述があるそうです。小豆には、強い利尿作用と、解毒の力があります。小豆は水の代謝を助け、むくみを改善する代表生薬です。炭水化物の他、良質の植物性たんぱく質やミネラルが含まれ、薬膳には欠かせない食品です。ビタミンA、ビタミンB1、抗酸化作用を持つポリフェノールやビタミンC、コレステロールを低下させ血液をさらさらにしてくれるサポニンなどが含まれる栄養食品です。その他、血圧降下、疲労回復、便秘改善、むくみの改善にも役立つとされています。
 
赤飯を中医学的に見てみると、もち米で温め、元気をつけて、母乳を出やすくし、小豆で水分代謝を良くし、栄養補給ができるので、初潮を迎えた成長期の女性にはなんともぴったりな食品となります。初潮の赤飯は、あながち「赤色→邪を払う」という宗教的観念だけで出来上がった風習ではないかもしれません。
 

 
私の地元、北海道では、赤飯に甘納豆を入れる習慣があります。子供のころ、近くの神社の行事かなにかで赤飯をいただくとき、甘納豆か小豆かを選ばせてもらえた思い出があります。もちろん小さかった私は甘納豆を選んでいました。といっても今でも甘いもの大好きなので甘納豆の赤飯を選ぶと思います。まぁ、そんなことだから健康診断ではLDLコレステロールが高い!という警告をうけるのでしょうが^^;そうそう、赤飯に胡麻をかけるのは、白い米を赤くしているのをゴマかすためだそうです 笑。
古い文化や風習というのは、やはり良い意味があって、良い経験があって受け継がれ、伝えられてきたものです。もし私に娘が生まれたら伝えていきたいと思います。でも父親に言われるのは、年頃の娘としては嫌なものかもしれませんね~
 

2013/12/20

元気に食べるために 「脾胃と食」のお話

こんにちは。櫻井です。今日も寒い!冷たい雨が降っている六本木からお届けしております。そろそろ年末も近づき、忘年会やお食事に行く機会も増え、お正月もうっかり食べ過ぎなんてことが気になる季節ですね。
中医学で胃腸は「後天の元」と言われ、生命を支える大事な役割を担っています。胃腸の調子を悪くすると胸やけや食欲不振、肥満や下痢だけでなく、体全体の調子もくるってきてしまいます。そんなことになる前に、胃腸についてのお話をしてみたいとおもいます。

(チャイナビューNo.179 漢方の知恵袋「食の養生」より)

 
中医学では胃腸のことを「脾胃」(ひい)といいます
脾胃は「脾」と「胃」の二つからなっています。脾はおもに吸収を管轄し、体を構成する元である「気・血」や潤いである「津液」を食べたものから作り出し全身に運ぶ仕事をしています。胃は主に消化を管轄し、口から入ってきた食べ物を受け取り、消化しています。また、脾と胃はそれぞれ、栄養を肺に運び上げる機能、消化したものを下におろして腸に送る機能も持ち合わせています。胃が受けて、脾が吸収する。脾が上に運び、胃が下に送る。これら脾胃の連係プレーで消化吸収が行われています。
 
脾胃はとっても真面目で従順な臓腑
脾胃はとっても働き者。寝起きから朝ご飯を消化し、それが終わりかけるころにはお昼ご飯を片付ける仕事です。途中でコーヒーを飲んだり、おやつを食べたりするとそれも処理しなくてはいけません。夜ご飯が早く食べられるときは、夜は休憩をとることが出来ますが、遅くなればなるほど寝ている間も働くことになります。胃腸はほぼ24時間働き続けていることになり、エネルギーを消費することにもなります。夜遅く食べることが疲労に繋がるのはそのためです。

 
脾胃は、暴飲暴食、加齢、ストレスなどによって機能低下をおこし、様々な症状がでるようになります
食欲がない、食べるとすぐお腹がいっぱいになる、アザができやすい、つかれやすい、胃もたれ、お腹が張る、げっぷ、めまい、息切れ、下痢、軟便、痰が多い、むくむ、尿が出にくい、内臓下垂などは「脾」の機能の低下の症状です。
消化不良、げっぷ、しゃっくり、嘔吐、便秘などは脾胃の「胃」の機能低下の症状です。
これらの症状はいわば脾胃のSOSサインです。怪しいな、調子悪いな、と思ったときに対処して上げることが悪化を防げます。脾胃のSOSサインに対応するには、脾胃を休ませることです。休ませるにはもちろん、仕事をさせないこと。脾胃に仕事をさせないということは、食べ物を食べないということです。一度朝ごはんを抜いたぐらいでは、体調が崩れることは有りません。朝を抜いても、まだ食欲が戻らないなら、お昼も抜いてみてください。そうしたら夜には食欲は戻ってるかもしれません。それでもいまいちなら、夜も抜いてしまいましょう。もし抜くのがつらいなら、とにかく消化に良いものを少しだけ食べるようにしましょう。でもその時は、「冷たいサラダ」などは避けてくださいね。脾胃は「温かいもの」を好みます。冷たい飲み物なども避けたほうが良いでしょう。
「3食きっちり食べないといけない」というのは間違った固定観念です。食が無い時ならいざ知らず、現代のような飽食の時代に、食糧不足による栄養失調を心配する必要はありません。それよりも食べ過ぎによる脾胃の弱体化の方が深刻です。
 

 
脾胃が不調を起こす主な原因
暴飲暴食、脂っこいものや味の濃い食事の摂りすぎ、ストレス、加齢や病気による衰え、冷たいものの摂りすぎや、梅雨時期や夏場の湿気なども影響します。
 
脾胃を健康に保つためには
温かいものを常に意識して摂るようにしましょう。水分、特に氷の入った飲み物、冷蔵庫から出したばかりの飲み物などは摂りすぎないようにしましょう。辛いもの、脂(油)の多い食事も控えめにしましょう。新鮮な、旬の野菜を加熱してたっぷりとるようにしましょう。そしてストレスをこまめに発散しましょう。
食事は、脾胃の働きをよくするものを。
米、インゲン豆、大豆製品、リンゴ、豚肉、白身魚、かぼちゃ、ジャガイモ、きゃべつ、山芋などがおすすめ。キャベツや豚肉が入ったお好み焼きなんていかがでしょうか?(ブログ:寒い季節にピッタリ「お好み焼きの話」)でも食べ過ぎ注意です。
 

 
良い食事とは、五味と五性のバランスが取れ、季節や体調に合わせた、身体を整える食事です
五味とは酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味(塩辛さ)のこと。
酸味は、「肝」の働きを整えます。引き締める、固めるという力あり、汗や尿などの過剰な流失を防ぎます。梅、杏子、ざくろ、レモン、お酢、山楂子など。
苦味は、「心」の働きを整えます。体内の余分な熱や水分、汚れを取り除き、便秘やむくみの解消、咳や痰の改善にも役立ちます。苦瓜、銀杏、レタス、緑茶など。
甘味は、「脾胃」の働きを助けます。養分を補い、虚弱体質の改善や、食欲増進、痛みを緩和するという働きがあります。米、棗、はちみつ、肉類、黒砂糖、大豆など。
辛味は、「肺」の働きを助けます。発汗作用を促し、血流をよくして、ストレスや体に溜まった余分な熱や寒さ、余分な湿気を発散させます。生姜、コショウ、唐辛子、ネギ、ニンニク、大根など。
鹹味は、「腎」の働きを整えます。堅いものを柔らかくする作用や詰まっているものを正常に通す作用があり、便秘や腫物を改善します。昆布類、いか、あさり、クラゲ、のり、天然塩など。
 
五性とは寒性・涼性平性温性・熱性などの食べ物がもつ寒熱の性質のこと
涼性や寒性は体を冷やす性質をもっています。大麦、キュウリ、せろり、リンゴ、なし、ニガウリ、レンコン、スイカ、バナナなどです。温性・熱性は身体を温める力をもっています。シナモン、コショウ、唐辛子、羊肉、鮭、酒、棗、ショウガ、紫蘇、もち米、ネギなどです。平性は寒熱の偏りがなく、常食に適した食材です。米、ジャガイモ、キャベツ、シイタケなどです。夏はすこし体の熱をとる涼性・寒性のものを。冬は温性・熱性のもの中心に摂ることが大切です。
 

 
体に優しい食べ方を
朝食は、温かく消化に良いものを。温かく、エネルギー補給になる「おかゆ」はとってもおすすめです。
昼食は、品数多目を心がけ、しっかり栄養をとりましょう。この時も腹八分目が目安です。
夕食は、時間は早め、ボリューム控えめで脾胃が休める時間をつくるようにしましょう。
良い食事の基本は「穀類4割、野菜4割、肉類2割」で、旬の野菜を火を通してたっぷり食べること、そして腹八分目です。これが毎食守られていれば、脾胃の機能低下はそう簡単には起こりません。もしそれでもだめなら、1,2食抜くことです。また食後のゆっくり散歩も脾胃の健康を守るために効果的です。
 

 
元気な体で充実した毎日を送るためには、何よりも脾胃が健康であること、元気に働いてくれていることが大切です。食の悩み、胃腸の悩みは、食べない、食べるものに気を付ける、などして積極的に解決するようにしていきましょう。食欲がない時は食べない。お腹がすくから食べるということをもう一度考えてみてくださいね。

2013/12/19

寒さに負けるな!塩味と冷えと「腎」のお話。

こんにちは、櫻井です。今日は朝から身に染みるような寒さで、午後には降り出す雨が夕方にはみぞれや雪にかわるかもっという予報ですが、どうなることやら。雪国出身の私には、雪国以外の地域での雪への弱さに大変驚かされることが多くあります。少し雪が降っただけで、交通事故は急増し、電車は止まり、学校も休みになったりするところもあるようですね。確かに普段無いものに備えるには、莫大な維持費も設備投資もかかるので当たり前のことなんですが、初めのころはとにかくびっくりしました。そういえば、雨が非常に少ないカリフォルニア州のサンディエゴに居たころに、珍しく雨が大量に降った翌日は道路のあちこちに陥没がみられ、交通事故も一晩で数千の増加というニュースもあったことを思い出しました。自然の前で文明の利器はとても非力ですね。
 


 
今日は「寒い日には適度な塩分をとることが大事」というお話をしたいと思います。「なぜ寒い日に塩分?」と思われた方も多いと思います。「そっか!だから東北地方や北海道は味が濃いんだ」と思い立った方はご名答。このお話を詳しくする前に、まずは冷えと関係の深い「腎」のお話をしましょう。
 

 「腎」は尿をつくるだけの器官ではない

中医学で「腎」は、加齢や衰えと密接に関係していると考えます。そして、いつまでも若々しくいるためには、「腎」を大切にせよと言われています。西洋医学で腎臓はただの尿をつくる器官ですが、中医学でいう「腎」は生長・発育・生殖と深い関係をもつ「生命の源」ともいえる臓腑です。
「腎」は、視床下部から副腎系に至る内分泌系全般の機能や、水分の濾過と再吸収、生長と発育及び知能・知覚・運動系の発達と維持、耳、膀胱、骨、そして二陰と言って、排尿と排泄にも影響を持っているとされ、その状態は髪に現れると言われています。感情面では、恐れや不安、驚きとの関係が深いとされており、人間の活動の根幹に影響を及ぼす臓腑です。
「腎」が衰えてくると冷えやすくなり、耳が遠くなり、おしっこが近くなり、骨がもろくなり、記憶力や判断力が低下し、必要以上に心配性になったり、漠然とした不安を感じるようになったり、髪は乾燥しがちになり艶を失うと言われています。要するに、「老化」という状態です。そして、腰は腎の器と言われ、腰が曲がったり、腰痛を感じるのは、腎が弱っているためと言われています。そのほか、すぐに座りたくなったり、けつまずいたりするのも「腎の弱り」と言われています。
女性は7の倍数で身体が変化し、男性は8の倍数の年齢で変化が訪れるというのは、この頃良く耳にする言葉ですが、あれはこの腎の成長と衰退のことを言っています。腎は、女性では、28歳をピークに衰えはじめ、35歳ごろから下り坂に差し掛かると言われており、男性では、24歳から40歳がピークでその後は下降線をたどると言われています。
 

 

「腎」を護る鹹味(かんみ)

齢を重ねることはステキなことですが、誰しも体の衰えはうれしいものではありません。体の衰えから身を護るためには、「腎を護り、補う」ことが大切です。食養生では、黒いもの、粘りのあるもの、そして自然の塩味のあるものが「腎」に良いとされ、黒豆、黒ゴマ、山芋、わかめ、ヒジキなどのがその代表です。
「腎」は自然界に存在する五つの味、酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味(塩辛味)の中でも、鹹味(かんみ)といって塩辛い味を好むと言われています。昨今では健康維持のために減塩が声高に叫ばれていますが、適度な塩分は身体の調子を整え、冷えを治すことにもつながります。東北地方や北海道など、寒い地域では塩分の摂取量が高く、塩分をとることで体温を維持してきました。高い塩分摂取は、高血圧などの風土病を作り出してしまいました。しかし反動による極端な減塩から生まれる低体温が蔓延しているという報告もあります。
肝・心・脾・肺・腎の五臓はそれぞれ対応する五つの味、酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味(塩辛味)と繋がりがあると言われおり、自然なそれらの味は、対応する蔵を滋養し、養います。気をつけなくてはいけないのは、これらの味は自然なものであることが重要です。特に鹹味や甘味は人工のもの、精製されたものが一般的に使われており、自然のものは多くありません。精製された砂糖や食塩はまさにそれにあたるので、それら人口のものの使用は最小限にとどめ、極力質の良い、ミネラル分をたっぷり含んだ岩塩や黒砂糖、キビ砂糖などを使うようにしましょう。醤油やみそも、簡易的に作られたものでなく、一年以上熟成させたものを使うようにした方がよいですね。お値段は張りますが、それなりの価値があります。
鹹味は簡単に言うと塩味のことですが、それに加えて、ミネラルの味や旨味も鹹味に含まれます。鹹味の代表はなんといっても海産物です。シジミ、アワビ、ホタテ、あさり、カニ、エビ、牡蠣、くらげ、イカ、アナゴ、スズキ、たら、サバ、昆布、のり、ひじきなどなどあげればきりがありません。それら海産物に含まれるミネラル分や、出汁のもとになる旨味成分が腎を護り、補ってくれます。熟成された味噌で作ったアサリやホタテの稚貝の味噌汁なんていうのは最高の「補腎」食ですね。
 

 冬は『腎』に負担がかかる

特に冬は腎にとって負担のかかる季節です。補腎のために温かい食材を選ぶことの他、適度な塩分摂取もお忘れなく。その他「腎」に負担がかかる原因としては、夜更かしや疲労、偏った食生活に食分けて過度の房事(セックスのし過ぎ)というものもあります。腎の衰えが老化に繋がるのは前途の通りですが、更年期を早めること、そして若い方でも気を付けていただきたいのは、腎の弱りは不妊につながるということもあるということです。最近よく耳にするようになった、「卵子の老化」や、「草食系」と言われるはまさに「腎」の弱りでしょう。
腎を護るには、防寒と適度な塩分の他に歩くというのも重要な要素です。歩くことは、腎に刺激を与え、筋力を鍛え、血流を促進します。冷えにももちろん効果があるのは、いわずものかな。中医学の古典「黄帝内経」に書かれている冬場の養生は、「早寝遅起き」そして「運動や情志活動を控え、身も心も穏やかに保つ」というものですが、汗をかかない程度の運動や散歩はとても大切ですよ。冷えから体を守るためにも、そしていつまでも若々しくいるのためにも、「腎」を護りましょう。
 

2013/12/18

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売