◎悪酔い・二日酔いはなぜ起こるか?
アルコールは胃や腸を通って肝臓で以下のように分解されます。
肝臓はアルコールをアルデヒドに分解し、更に酢酸と水に変えて無毒化します。「かけつけ3杯」や「あびるように飲む」と分解の速度が追い付かず、有害なアセトアルデヒドが体内に溢れ出すと悪酔いの原因となります。日本人はアルコールの処理能力が低いのでなおさら悪酔いしやすいのです。アセトアルデヒド濃度が0.5mg%以上に達すると頭痛や悪寒、いらだち、吐き気などの症状がでます。更に飲む量が多く、飲み終わる時間が遅ければ、翌日もアルコールが残った状態が続き、二日酔いとなります。
二日酔いは翌朝も頭痛や吐き気などの不快な症状が残っている状態です。現在の研究によるとアセトアルデヒドが直接の原因ではないと考えられ血中のアセトアルデヒド値が低下した時点で二日酔いが生じていることや、二日酔い状態では成長ホルモンなどの分泌に変化が生じていることから血中カテコールアミン量の上昇によるものだという説があります。アルコールが中枢神経系のドーパミンに対して直接作用し、二日酔いの症状がでると考えられています。
どちらにしても悪酔い・二日酔いを防ぐ対策が必要です。
◎お酒にまつわる認識間違い
チャンポンって酔っぱらう?(チャンポン:いろいろなお酒を代わる代わる飲むこと)→答え:△
チャンポン自体はそんなにいけないわけではなく、いろいろな味のお酒を飲むことによっていつものペースより飲み過ぎてしまう傾向に陥りやすいのです。お酒の種類より純アルコール量の摂り過ぎが二日酔いを引き起こします。
迎え酒が良い?(迎え酒:二日酔いの朝に更にお酒を飲むこと)→答え:×
二日酔いの朝に迎え酒をするとすっきりするという人がいます。これはアルコールの麻酔作用による一時的なごまかしにすぎません。昨日のアルコールも処理している肝臓は迎え酒の分も余計に働かなくてはなりません。500mlのビールに含まれるアルコールを分解するのに3時間が必要です。またアルコール依存症になりやすくなるので注意!
◎対策
1. まず飲む前に
◆ 漢方薬 ◆
★日頃から肝臓の機能をあげておく:ウコン、カワラタケエキス、マンシュウグルミ樹皮エキス、田七人参などのを服用されると良いです。
2. 楽しく飲んでいる最中
◆アルコール ◆
★飲み方: 朝7時に起きる人は9時間前の午後10時までに飲み終わるといいでしょう。または時間が遅くなるにつれ、 強いお酒は避けてお湯で割ったりするような薄いものにしていきましょう。
◆食事 ◆
★必ず食べながら飲むようにしましょう。おつまみはビタミンやタンパク質のものを多くとるように。炭水化物は胃粘膜保護にも有効。
★枝豆:肝臓のアルコール分解を助けてくれます。
3. 飲んで帰ってきたら?
◆漢方薬 ◆
酒は漢方では「湿熱」を生じると言います。お酒を飲んだ次の日舌をみて下さい。赤みが増し、苔が厚くなります。「湿」とは苔が厚くなりざらついたり食欲低下、 むくみのある状態をいい、「熱」とは舌の赤みが増し口渇があるような熱が体にあることをいいます。
「湿熱」をとるには茵陳五苓散+竜胆瀉肝湯
アルコールによる脱水、利尿作用により失ったミネラル補給には蟻製剤、牡蠣製剤、
薬ではないけれどイオン飲料もgood。
◆生活 ◆
熱いお風呂は×。ぬるめのお風呂に入って、早く寝ましょう!
4. それでもまた二日酔いになってしまったら
◆漢方薬 ◆
★むくみをとるには:柳茶、五苓散
★ 吐き気、むかつき:半夏瀉心湯、 黄連温胆湯
★ 体内に残ったアルコールを早く出す:竜胆瀉肝湯、茵陳五苓散、黄連解毒湯
◆食事 ◆
★ 柿、グレープフルーツ、すいか、りんご、緑茶、しじみ、あずき、黒豆、菊花、きゅうり、くず、サンザシ、生姜、セロリ、 大根、トマト、レンコン、みそなど。
★柿に含まれる酵素カタラーゼはアルコールの酸化を促しアセトアルデヒドの分解を進めます。
◆生活 ◆
熱いシャワーは血流をよくしてアルコール分解を促進させて、頭をすっきりさせましょう。
◆アロマ ◆
手軽なアロマは意外にお役立ち。頭痛、吐き気に対して香りによってスッ キリさせたり、アルコールの解毒効果があるものもあります。
★ ペパーミント、ローズマリー、ジュニパー、ラベンダー、カモミール、オレンジ
★ ペパーミントやオレンジピール、カモミールティなどでスッキリするのも良いでしょう
二日酔い,