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栄養満点!捨てるところがない「桑」お話

こんにちは。櫻井です。
今日は台風が近づいているせいで、雨がぱらつく一日です。湿度も、この季節には珍しいぐらい高く、イスクラ薬局六本木店内の除湿機も、昨日は一日で満タンになりました。今日も朝排水しましたが、もう5cmぐらい溜まっています。こうなると気になるのは『湿邪(しつじゃ)』の影響。乾燥でやられていた呼吸器系(肺、気道、口、鼻、肌)には優しい「湿」ですが、胃腸は「湿」を嫌うので、水はけが悪い体質の方だと一気に影響を受けてしまい、だるさ、食欲不振、便秘、軟便、頭痛など様々な症状が出てしまう方もいらっしゃると思います。(詳しくはこちら〝台風と体の不調″をご参照ください。)
 
そんな今日、9月26日は、なんと台風襲来の特異日。統計上台風襲来の回数がとても多い日だそうです。1954(昭和29)年の「洞爺丸台風」で青函連絡船・洞爺丸が転覆したのも今日、9月26日。 1958(昭和33)年の「狩野川台風」が伊豆・関東地方に来襲したのもこの日。さらに、1959(昭和34)年、東海地方等に台風15号が来襲し、明治以来最大の被害をだした「伊勢湾台風」もこの日で、被害は全国で死者・行方不明者は5000人を超え、57万戸の家屋が全壊・もしくは半壊したとのことです。そして今日、2013年9月26日には台風20号は本土上陸は有りませんでしたが、最接近した日となりました。歴史は繰り返されるといいますが、地球規模の気候変動もまさにその一つなのかもしれません。
 

 
9月26日の誕生果は桑の実(くわのみ)だそうです。
〝熱帯から温帯に分布するクワ科クワ属の落葉高木を総称して『桑』と呼び、その品種数は100以上に達しています。日本人に馴染みがあるヤマグワ・カラヤマグワ・ログワの3種類は、お蚕さんの飼料として古くから栽培されています。雌雄異株で春に淡黄色の花が咲き、初夏には赤い実をつけて黒紫色に熟します。 日本では切っても切っても、又・又・又・木になるということで桑となったように葉が注目されているのに対し、英語のマルベリー(mulberry)は果実に対してつけられたものです。”だそうです。(株式会社カイレンテクノブリッジ ホームページhttp://www.mulberry.jp/about_mulbe.html参照)
 

画像:wikipedia

桑の実の濃い紫色の小さな粒粒とした果実は甘酸っぱく、ヨーロッパではジャムにして食べられたり、ワインなど同様に発酵させた『桑実酒』も造られています。
中医学で桑の実は、「桑椹子(そうじんし)」と呼る生薬で、生薬の古典、約1800年前に書かれたと言われている、「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」にもその薬効が書かれています。性味は寒で、甘。帰経は心、肝、腎に入り、血を補い、潤いを補う力に優れていることから、口渇、便秘、体力の低下、めまい、貧血、目の香住、白髪、耳鳴りなどに用いられています。ちなみに桑の木根の皮も「桑白皮(そうはくひ)」という生薬で、袪痰、消炎、利尿のお薬として使われています。そして若い桑の葉はてんぷらにして美味しく、さらに薬効成分も含まれ、お茶にして飲めば、血糖値の抑制、コレステロールの低下が望めるとされています。さらにさらに、桑の葉を食べた蚕のフンにも同等の効果があるとされ、こちらも漢方では「蚕砂(さんしゃ)」という生薬としてつかわれています。桑はとにかく捨てるところがない植物です。

 桑の実は、とても栄養豊富で、カルシウムではりんごの13倍、鉄は15倍、カリウムは2倍、ビタミンCは10倍カリウムを除いてはにんじんと同等またはそれ以上含まれているとされています。(上記ホームページ参照)
 
桑は、蚕のエサとして日本各地で栽培されており、日本でも昔は馴染みの深い植物でした。桑の実の旬は、残念ながらこの時期ではなく4月~5月の春時期。中医学的にみると、肝に入り、肝の血を増やす力があるとされているので、春先の不眠や自律神経の不調も癒してくれるでしょう。なので、秋も迫るこの時期になぜ「桑の実」が誕生果なのかは、ちょっと疑問ですね。
台風のおかげでいったんは乾燥の影響は落ち着いていますが、これからは潤いの補給、胃腸機能の回復に気を付け、厳しい冬の寒さにしっかり備えていきたいですね。そんな時、もし手に入れば、身体を潤してくれる桑の実はおすすめです。ベリー系は総じて身体を冷やすので、熱を加えたジャムか、飲み過ぎに注意ですが、焼酎につけた「桑の実酒」が良いかもしれませんね。
 
 
 

2013/09/26

『スミ』には止血効果がある。

こんにちは。櫻井です。
伝統とルール、多種多様な人たちが生活する現代での共存というのは難しいものです。
先日、マオリ族の女性が刺青のため大衆浴場に入浴できなかったというニュースがありました。
世界は広く、刺青が伝統的な民族文化として色濃く残こっているところもあり、日本もこれから国際化社会を目指していくには、ルールは変わっていく必要もあるかもしれませんね。刺青がなぜだめか、っというのは簡単には言い切れませんが、刺青=暴力団の時代が確かにあったことは否めません。刺青は江戸時代では、罪人に対して懲罰的な意味で行なわれていました。おでこに肉ならぬ「悪」と書かれたこともあったようで、文字通り悪の証のような物となっていましたが、そこに日本人の几帳面な性格や美的センスが加わり、文化となって華開いたようです。
刺青と医学の間には少なからず縁があり、オーストリアで発見された5300年前の40代の男性ミイラ死体『アイスマン』の体には、鍼灸のツボの部分に相当する部位に刺青があったそうです。その『ツボの刺青』は、アイスマンからだけでなく、シベリアのアルタイ山中パジリク古墳から発見されたミイラ遺体にも見つかったそうです。もしかすると中国発祥とされてきた『ツボ』という概念は、古代の『医療』の常識であったのかもしれませんね。

少々強引ですが、『スミ』と言えば、中医学の生薬でも昔から多用されています。こちらの『スミ』は、墨ではなく、炭のことです。中医学で炭とは、生薬などを黒い炭になるまで炒ったもののことです。炭になった生薬は多くのものに止血の効果があるとされています。民間薬でもハマグリやシジミの貝殻の灰を湿布薬にしたものは外傷の止血に使われていたようです。
なぜ墨に止血の効果があるか中医学的に解説すると、炭の色は黒で黒は五行説では水に属します。そして血の色は赤で赤は五行では火に属します。水は火を消す:抑制する(相克 そうこく)の関係にあることから炭にした生薬には流血を抑制する止血の作用があると考えられたそうです。まぁ、理屈よりも効果が先にあったとは思われますが。
止血をする炭の中でも有名なものに、『血余炭(けつよたん)』もしくは『乱髪霜(らんぱつそう)』という生薬があります。これは人の毛を炭になるまで炒った生薬で、鼻血や月経過多、補陰や利尿に使われています。内服したようですが、湿布のようにして、外傷にも使われていたようです。今でも手には入りますが、さすがに使っているところを見たことは有りません。
 

炭は古代からとても身近な、ありふれた存在だったので、止血や入れ墨に使われていたのかもしれません。古代の文献や記憶は様々な理由でその多くは形をとどめていませんが、もしかしたら今よりも進んだ医療が存在していたのかもしれませんね。時代とともに変わっていくもの、変わらないもの、いろいろありますが、後世からみると本当に大切なものこそが失われてしまうのも、また世の常とも思え、難しいものです。

2013/09/25

『秋バテ』していませんか?

やっと夏の暑さも一段落。朝晩は肌寒さも感じる秋の季節となりました。こんにちは。櫻井です。

秋になって疲れが取れない、だるい、元気が出ない、口や喉が渇く、手足がほてるといった症状がみられるかたも多くいらっしゃるのではないでしょうか。いわゆる「秋バテ」の状態です。


今年のような猛暑に限らず、夏はたくさん汗をかきます。そうすると体内の水分は消耗するので、おのずと水分を摂りたくなってしまいます。暑さが我慢できずどうしても冷たいものもとりがちになってしまいますね。そうすると湿気や冷えが苦手な内臓、とくに胃腸機能は低下しやすくなります。胃腸は口から入れたものを消化し、体に必要な物、いらないものに分けて、必要なものからエネルギーや血、潤いを造る場所です。ここが弱ってしまうと、不必要なものが溜まってしまい、さらに必要なエネルギーや血、潤いが作り出せなくなってしまいます。そこで秋になると前途の、疲れが取れない、元気が出ない、口や喉が渇く、手足がほてるなどと言った症状がでてきてしまうのです。これが『秋バテ』の正体です。
秋は乾燥の季節で、この乾燥に大きな影響を受けるのが「肺」です。″中医学で言うところの「肺」とは、鼻、喉、気管支、皮膚などを含めた広い意味での呼吸器系をさしていて、全身のエネルギーの働きを調節し、呼吸や水分代謝をコントロールし、さらに免疫機能の一部も担っているとされています。これからますます乾燥してくると、肺は乾燥の影響を受け、潤いが不足し、気道(肺に通じる空気の通り道)の抵抗力が落ち、カゼ、空咳、肺炎などの呼吸器のトラブル、ドライマウス、ドライアイ、声のかすれ、アレルギー疾患、肌の乾燥など様々な症状が現れやすくなる”と言われています。

秋バテ対策におすすめの食材はレンコン、梨、ブドウ、ユリ根、クコの実、豆乳、白米、はちみつ、落花生、杏仁豆腐、豚肉、すっぽん、カキ、カモ肉、なまこ、あわび、ハマグリ、白菜、冬瓜、胡麻、キクラゲなどがおすすめです。
 
中医学で秋は、夏の間に消耗したエネルギーを補い、冬に備えて体力を養い、身体を調節する期間。食生活や生活習慣を見直して、早めに改善して、心地よく秋をすごし、きたるべき冬に備えたいですね。
 
 
 

「夏バテならぬ秋バテにご用心」より抜粋、編集

2013/09/21

空咳、乾燥トラブル増えています

こんにちは、櫻井です。
昨日は仲秋の名月でしたね。とってもきれいな月でした。満月は快晴よりも、朧月が風流とは言いますが、雲のない満月も良いものです。皆様はお月見、楽しまれましたでしょうか。うっかり見逃した方は、来月の17日、十三夜の月をお楽しみください。仲秋の名月の次の十三夜の月は、仲秋の名月の次に美しいといわれているそうです。


IMG_0556 / imnakashima

すっかり朝晩は肌寒くなり、秋の気配も色濃くなってきています。店頭では、喉のイガイガや痛み、咳などのご相談が増えております。冬によく売れる板藍のど飴もこの時期すでに人気商品になっています。
今年のような猛暑では、大量の発汗や、夏バテによる食欲不振などから、潤いのもとになる血や水分の生成が追い付かず体内が乾燥状態になって、粘膜も乾燥しがちになり、炎症を起こしやすくなっていると思われます。そこへ食欲不振や睡眠不足からの免疫力低下が重なると、カゼをひいてしまいます。胃腸状態も悪く、回復も遅れ、下痢や軟便なども併発し、さらに体力がおち、なかなか治りきらない状態を作り出しているかもしれません。
さらに、秋は乾燥の影響を受けやすい季節です。中医学でも秋は乾燥の季節として注意を呼びかけています。疲労感や倦怠感、息切れ、食欲不振、尿量の減少、便秘などがみられる方、もしかすると乾燥の影響がエネルギー低下にまで引き起こしているかもしれません。

潤いを補うためには、ただ水を飲めばよいというわけでは無いばかりか、逆に体調を悪くしてしまうことも考えられます。のどの渇きに任せて水分(とくに冷たい)を摂取していると、湿気を嫌う胃腸は機能を低下させてしまい、潤いを生む力が低下してしまいます。そうなると、食欲はない、喉はかわく、水分をとるという悪循環から抜け出せなくなります。夏場のくせもそのままに冷蔵庫で冷えた麦茶を飲み続けていたり、アイスクリームを食べている方、要注意です。
そんな場合は、潤いのある食材、潤いを生む食材をとる事。体内の乾きは水分ではなく、食材からとるようにしましょう。
ポイントは

①酸味と甘味の食材を一緒に摂る。 

②平性、涼性を基本に時に寒性を取り入れる。

③身体を潤わせる食材を積極的にとる。

④冷たい飲み物や食べ物は避ける

⑤辛すぎるものを避ける

⑥熱すぎるものを避ける

⑦大量の飲酒とたばこをさける

の7つです。
中医学では、「酸甘化陰」といって、酸味と甘味をあわせると潤い(陰分)が湧いてくると言われています。潤い不足を補うには、甘味と酸味をの食材を一緒に摂ることをお勧めします。また、冷たい飲みもや食べ物は胃腸の働きを低下させます。極端に辛いもの、熱いもの、大量の/毎日の飲酒や喫煙は潤いを損なうので、注意が必要です。
 

症状別おすすめ食材

空咳や目の乾燥、口や喉の渇き、便がコロコロと固い人には、
トマト、梨、レモン、メロンなど酸味と甘味を併せ持った食材なので、料理の際に鹹味と酸味を合わせるよう工夫しても良いでしょう。
 
のぼせ、ほてり、微熱、寝汗、耳鳴りなども潤い不足と関連があります。
寝汗を良いものと考えていらっしゃる方もいますが、寝汗は、潤い不足による体内の熱が原因です。「水」の不足による熱を冷ますために、平性、涼性、ときに寒性の食材をお勧めします。
すっぽん、ぶたにく、カモ肉、なまこ、かき、あわび、豆腐などは身体に潤いを与え、余分な熱を冷ます力があるとされています。
 
その他、潤い不足に常用すると良いのは、
松の実、白ごま、黒ゴマ、白きくらげなどはおひたしやサラダにプラスするなどしてできるだけ毎日とりましょう。白菜、レンコン、キュウリなどもおすすめです。
 
秋の養生の基本は、しっかり潤いを補いつつ、エネルギーも同時に補うこと。そして、食事と睡眠を十分にとることが大切です。特に睡眠不足や夜型生活は潤いをどんどん消耗します。できるだけ夜12時前までに寝るようにしましょう。秋は過ごしやすく、これからくる厳しい冬に備える季節です。過ごしやすさを利用して、しっかり睡眠をとり、滋養のある食べ物(といっても消化に良い和食)をしっかり食べましょう。食材はできるだけ旬のものを意識して摂るようにしましょう。
 

2013/09/20

お月見と月とお米のおはなし

こんにちは。櫻井です。
今日9月19日は仲秋の名月。しかも今日は満月です。しかもしかも今日は「社日」と、3つも重なった珍しい日だそうです。
仲秋の名月といっても、実は毎回満月じゃないそうで、重なるのはとても珍しいことなんだそうです。次に仲秋の名月と満月が重なるのは、なんと8年後の2021年だそうです。そのころには東京オリンピックももう終わっています。これは見逃してはいけませんね。

 
社日は、土用や彼岸などと同じ「雑節」のひとつで、春と秋に2回あり、春のものは春社(しゅんしゃ)、秋のものを秋社(しゅうしゃ・あきしゃ)と呼ぶそうです。社とは土地の守り神を意味し、社日は「産土神(うぶすながみ)」を祀る日です。産土神とは、生まれた土地の守っている神様、守護神のこと。その土地で生まれたものを生まれる前から死んだあとまで守護してくれて、引っ越しても守り続けてくれる神様だそうです。
嫉妬したり、すぐ怒ったり、罰を与えてくる神様がおおいなか、何と寛大で器のでかい神様なんでしょう。これはしっかりお祭りしないわけにはいきませんね。
 
お月見と言えば、月見団子と秋の七草(はぎ、おばな(すすき)、くず、なでしこ、おみなえし、ふじばかま、ききょう)ですね。そしてサトイモや季節の果物なども一緒に祀ります。秋の恵みに感謝し、土地の神様に感謝する日です。
月見団子は「だんご粉」でできています。だんご粉はうるち米の粉ともち米の粉をブレンドしたもの。うるち米とはコシヒカリやあきたこまちなど普段私たちがお米と認識している米のことです。もち米もたくさん種類がありますが、基本的にはもち米もうるち米も同じコメです。違いはでんぷんの種類とその量で、もち米には粘るでんぷんがうるち米より多く含まれています。

 
米(うるち米)ともち米、中医学では二つを分けています。
平性で、寒熱の差がありません。米には、消化機能を回復させると同時に、イライラを抑える働きがあるとされています。玄米は栄養素も豊富ですが、硬いので、胃腸が弱いと便秘になったり、胃が痛くなってしまうこともあります。アレルギーを起こす方もたまにですが、います。そんな場合は白米を食べましょう。
もち米は昔から元気のでる食材として体力回復や母乳の出を良くするのに良いとされてきました。もち米は温性で、身体を暖めます。古代の薬物書物『本草綱目(ほんぞうこうもく)』にも、餅は「益気暖中(えっきだんちゅう)」とあり、胃腸を温めて元気をつけるとされています。力うどんや力そばなどには餅は欠かせませんよね。しかし、中医学の考えでは、餅など甘みがあって、ネバネバしたものは、胃腸の負担になりやすいものとされていて、胃腸が弱かったり、痰や湿が溜まっているような場合は餅を控えるようにと指示します
 

 
都内で一番満月に近くなるのは20時頃の予定です。このブログを読んだら月を見上げてみてくださいね。
もしうっかり見逃してしまった方は、がっかりしないでください。実はお月見のチャンスは二度あります。9月の仲秋の名月をみたら翌月の十三夜もお月見をするのが本来の習わしです。十三夜の月は十五夜の次に美しいとされています。今年、2013年の十三夜は10月17日。栗の収穫期と重なり、「栗名月」とも呼ばれているそうですよ。十三夜は栗をお供えして月見をしましょう。
 
 

2013/09/19

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運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売