日本のたんぽぽとセイヨウタンポポ
今は夏から冬にかけても、花が見られることも多いですが、それはセイヨウタンポポ。もともと日本にあったタンポポは、春のみ花を咲かせるものです。日本のタンポポとセイヨウタンポポの見分け方は、花の咲く時期だけでなく、総苞(がくの様に見える部分)の部分でもわかります。総苞が反り返って下を向いているのがセイヨウタンポポ。総苞が反り返らずに上を向いているのが日本のタンポポです。セイヨウタンポポの方が繁殖力も高いため、今では日本のタンポポよりもセイヨウタンポポの方が多く見られています。
さて、そんな道端によく見られるタンポポが、食べられる薬草であることはご存じですか?
dandelion / Taraxacum / 蒲公英(タンポポ) / TANAKA Juuyoh (田中十洋)
食べるために輸入された【たんぽぽ】
ヨーロッパでは、古くから食用として用いられていましたし、そもそも日本にセイヨウタンポポが持ち込まれたのも食用として利用するためでした。今は食用として用いるなら、日本のタンポポもセイヨウタンポポも同じように扱われます。葉や茎は、サラダとして生で食べられますし、天ぷらや、おひたしにすることもできます。根の部分を使ったタンポポコーヒーなどもよく知られています。ノンカフェインなので、寝る前でも飲めますし、カフェインを控えたい方にはお勧めです。
Danbo and Dandelion / Takashi(aes256)
薬として使われる【たんぽぽ】
中医学でタンポポは「蒲公英(ほこうえい)」という生薬で用います。蒲公英は、モウコタンポポ(朝鮮半島、中国北部~中部、モンゴル、日本の九州北部に分布するタンポポです)の全草を乾燥したものです。
蒲公英
【性質】 苦甘・寒
【帰経】 肝・胃
・寒という性質で、炎症のもとを解毒し、熱を冷ます
・胆汁分泌を促進し、肝代謝を助ける
・利尿作用でむくみを改善する
・緩下作用で便通を良くする
・通乳の作用で母乳の出を良くする
中医学でのたんぽぽは、むくみのある人や、授乳中で母乳が出にくい方、口内炎や喉の痛みのある方にはおすすめです。ただ、寒の性質をもち、余分な熱をとりますが、とりすぎからくる冷えには注意しましょう。
たんぽぽを手軽に摂れる【五涼華】
道に生えているタンポポを食用にするのはちょっと・・・と感じる方も多いのではないでしょうか。
日本でお求め頂けるタンポポを含んだ製品には「五涼華」があります。
蒲公英(たんぽぽ)の他に
・金銀花(スイカズラ科)
・野菊花(キク科)
・紫花地丁(スミレ科)
・龍葵(ナス科イヌホオズキ)
の五つの涼性の花を配合しています。
これらの花には、
・ニキビなどの皮膚炎
・喉の痛み
・口内炎
・乳腺炎
などに対して、炎症を鎮める力が有るとされています。
ご興味のある方は、ぜひ専門店にてご相談なさってみてください。
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