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ストレスや邪気を発散する「金木犀」のお話

今日はまた寒いですね。この台風が去った後は、台風一過の心地よい日差しが続きますが、気温は日に日に低くなり、いよいよ冬の到来を感じさせる時期となりそうです。こんにちは、櫻井です。私は寒がりなので、数日前から冬用コートを着用しています。真冬になったらどうしようかが今の悩みです。とりあえず身体を温める漢方を飲み始めます。
 
今日のネタをいろいろ探していたのですが、こう毎日長々とブログを書いているとそう簡単にネタも浮かんでこなくなります。最近はTwitter(@iskraroppongi)でリクエストがあった冬瓜冬の養生人参などを書いてきましたが、それも無くなってしまい、んじゃなにをかこうかな??っとイスクラ直営他店舗のブログを覗いてネタ探し(^^;)。そうすると目に留まったのが「金木犀」でした(中野店北原さん、ネタ拝借しました!)。この「金木犀の香り」ってみなさんいつごろ気づいたんでしょうかね。もう大人の常識として誰しもが知ってるっという雰囲気を感じていますが、「あ~これがあの金木犀なんだ。」と理解できたの20代も後半に入ったころでした。なんとなくこの季節になると感じる「香り」には気づいていましたが、この香りがあの金木犀さんだったなんて。
 


/ mk*

 
中国南西部原産のこの花が日本に入ってきたのは江戸時代。最初に入ってきたの雄株だったそうで、その後接ぎ木しながら増やされていたので、日本にある金木犀はすべてが雄で、実がなることはないそうです。
中国では金木犀を一般的に「桂花」とかいて、「けいか」と呼ばれています。日本ではあまり見かけませんが、中国では、「花茶」として使われたり、飴やお菓子の原料などとして使われているのを良く見かけます。桂花のエッセンシャルオイルもあるらしいですが、どんな時に使うんでしょうね。詳しい方、教えてください。


/ titanium22

金木犀(桂花)を中医学的に見ると

桂花は辛味で、温性。肝、心、脾、胃に入り、温中散寒、行気の力があり、お腹を温め、寒さを散らしたり、気の巡りを良くすることでストレス過多症状を改善する力があるとされています。辛味は肺の働きを整え、血流を良くし、ストレスや邪気を発散する力があるとされ、温性も体を温め気・血をめぐらせるとされていますので、やはり、この時期にぴったりですね。
花びらを白ワインにつけて3年ほど熟成させたお酒、『桂花陳酒(けいかちんしゅ)』は日本でも有名ですが、古くは楊貴妃も愛用していたと言われ、当時では宮廷だけで飲まれていたそうです。ちなみに「陳」というのは「古い」「経年経過した」という意味で、みかんの皮の「陳皮」というのも同じです。みかんの皮は古ければ古いほど良いとされていますが、お酒はどうなんでしょうね。

花茶としていただく場合は、10gぐらいに熱湯を注いで少しまって金木犀の甘い香りが立ち込めたら、香りを楽しみながら飲みます。その他、緑茶とブレンドしてはちみつを入れても美味しいですし、夏場はそこに氷を浮かべて暑気払いにもぴったりです。冬なら紅茶に入れてもおいしいですよ。


水井茶堂 桂花膨風茶+客家麻糬 / JerryLai0208

中国では金木犀の花とご飯を一緒に炊いたものに少量のはちみつを入れた「蜂蜜桂花飯」ってのもけっこうメジャーです。「ジャスミンライス」みたいなものですね。どうも私はご飯に芳香剤の香りが付いているみたいで好きにはなれません。あと「桂花蓮根」っていうのも北京で食べましたが、これがまた、芳香剤を輪切りにしたものを食べてるみたいで、、やはり、苦手でした。まぁ食べ物は習慣と好みがあるので、、私は花茶やお酒のがイイです。


桂花飯 / Jessie.yang


糯米在中間、口感很特別的桂花蓮藕 / *Chia-Ling

 
日本では余り食べる習慣のない金木犀ですが、身体を温めてくれ、胃腸を元気にしてくれるので、試してみてはいかがでしょうか?
 
 
 

2013/10/26

野菜は目に、薬用は元気の源!「人参」のお話!

こんにちは、櫻井です。台風がまたまた近づいてきていますね。今日は一日雨模様のようで、シンシン君も心配そうです。

 
リクエストにお応えして、今日は人参のお話をしたいと思います。リクエストの内容が、野菜の人参か、生薬の人参かが解らなかったので、両方書きます!

野菜の人参

まず野菜の人参ですが、原産はアフガニスタンだそうです。植物学上ではセリ科に属していて、ウコギ科の生薬の人参とは別物です。名前は、先に入ってきていた薬用の人参が「人参」とよばれていたそうです。後から入ってきた野菜の人参は、その形が薬用人参に似ていたため、「人参」という名前が付きました。
日本に入ってきた人参は中国から16世紀ごろに入ってきた東洋人参と、江戸末期にオランダやフランスから入ってきた西洋人参とがあります。東洋人参は栽培が難しく、私たちが目にするほとんどの人参は西洋人参だそうです。東洋人参は甘く、人参特有のにおいも少なく、煮ても型崩れしにくいので和食では良く使われています。京人参と呼ばれている、赤みが深い「金時人参」がそれです。西洋人参はスーパーで目にする誰もが知ってる人参です。
人参は涼しい気候で育ちやすいので、旬は9月から12月と、今が旬で、生産量は北海道が一番多いです。。ビタミンAとカロチンが豊富で、特にカロチンはほかの食材に比べて圧倒的に多く、人参半分で一日の摂取量をまかなえるぐらいです。その他、ビタミンB,C、カルシウム、鉄も含み、栄養豊かな食材です。カロチンは油に溶けやすいので、バターや油で調理すると、カロチンの吸収率が上がります。人参のオレンジ色が一般的です、その他いろんな色素を含んだ人参があります。アフガニスタンのもともとの人参は白や黄色、黒というのもあります。
 


Carrots – Carota – Wortels – Geze – 胡萝卜- zanahoria – carotte – ニンジン / color line

食用人参を中医学的に見てみると、

平性で温寒の偏りがなく、血の不足やエネルギーの巡りの悪さを改善してくれます。肝の働きを改善して、貧血や夜盲症を予防します。目の疲れや視力低下にも。脾(胃腸)の働きを正常にするので、下痢や便秘の改善にもおススメです。

Carrots / joyosity

 
 

生薬の人参

「朝鮮人参」、「高麗人参」と呼ばれるウコギ科の薬用人参。今から1300年前、天平の時代に中国東北部の渤海から日本に伝えられたと言われています。八代将軍徳川吉宗がその栽培を奨励したとされ、各藩の大名にその苗を与え栽培させていたことから「御種人参」という名前も残っています。人参の歴史は古く、四千年も昔から薬として使われてきた記録もあります。中医学で人参というと、この人参を指しますが、同じウコギ科でもその他に薬効の違う西洋人参(アメリカ人参)、田七人参、シベリア人参*などがあります。


DSCN9042 / mongobbq

高麗人参はそのほとんどが韓国や中国の東北地方で栽培されています。野生の人参の薬効は「ショック状態で倒れた人を蘇らせる」というぐらい強烈な力を持っていますが、今ではほぼ入手不可能と言われています。
人参は代表的な補気薬で、人体の生命活動の原動力となる「気」を補う生薬です。体力の低下時や疲労や慢性虚弱に、元気を補い、胃や腸などの消化器の働きを健やかにし、神経・精神を安定させ、身体中の水分である「津液」を生む効果があります。人参は長期にわたって服用しても害がなく、適応する病気や症状の範囲がとても広い生薬です。しかし、もちろん薬は薬ですので、使用の場合は専門家のアドバイスを受けてください。特にすこし温性の性質を持つので、高熱時やほてり、のぼせ、高血圧、熱性便秘などの症状が強い場合は慎重に使うべきです。

高麗人参には、その炮製(ほうせい)と呼ばれる加工方法により2種類の違ったタイプのものがあります。ひとつは蒸した後加工した「紅参(こうじん)」、蒸さずにそのまま加工した「白参(はくじん)」があります。紅参はその蒸す過程で有効成分のサポニンが少し失われますが、逆にその際に別な有効成分が造られます。さらに煎じた時にそれらの有効成分が溶け出しやすいという長所が生まれます。


Ginseng / Florena_Presse/
白参


Bottles of Ginseng Like Little Creatures /薬用人参の薬酒/ storyvillegirl

野菜の人参と薬用人参

野菜の人参は寒熱の偏りがなく、どんな体質でも食べやすい食材です。肝の働きを良くして目を養います。胃腸にも良いとされています。

薬用人参の性味は甘で微苦、そして微温とされ、甘味で腸(脾)に行き、微温で温めます。補気固脱、補脾気、益肺気、生津止渇、安神益智の効果があり、体に元気を補い、胃腸を健やかにして、肺を活発に動かし、潤いを生み、心を安らげます。
どちらの人参も体にとても良いので、気になる症状がある方はレシピに加えてみてくださいね。野菜の人参は油と相性が良いのできんぴらなんかおすすめですが、薬用ニンジンももし手に入れば、きんぴらやてんぷらにしてもおいしいです。焼酎につけて毎日少しずつ飲むのも良いですね。

*西洋人参(アメリカ人参)の薬効は高麗人参に似ていますが涼性です。熱をとり頭をすっきりさせる力があるとされ、エネルギー不足に加え、集中力や記憶力などが求められる場合に。田七人参は、活血・止血の妙薬。血流改善しながら同時に、そう反する止血作用もある不思議な生薬です。肝の機能をあげてくれたり、痛みを抑える力もあります。出血時や血流改善はしたいけど出血はさせたくないとき、痛みがあるときなどに使います。シベリア人参は、温性で、心を安らげるリラックスの力があり、環境ストレスに強くなれるとされています。

2013/10/25

猛毒の『トリカブト』も漢方ではお薬です。

今日、10月23日は、華岡青洲が生まれた日(1760年10月23日)です。華岡青洲と言えば、世界で初めて全身麻酔を使用した外科手術をした人物です。
その麻酔薬とは、草烏頭(そううず・トリカブト)と曼荼羅華の実(まんだらげ・チョウセンアサガオ)を主成分とした6種類(当帰、川芎、白芍、ナンセイシャ)の生薬を混ぜた通仙散(つうせんさん)、別名・麻沸散(まふつさん)という薬です。トリカブトはドクゼリ、ドクウツギと並ぶ、「日本三大有毒植物」すが、いまでもれっきとした「薬」としてつかわれています。華岡青洲はその他、紫雲膏をつくったことでも有名ですね。紫雲膏はこのブログでも前に取り上げています。「傷を残さない傷薬紫雲膏」は、こちらからどうぞ
 


Monkshood – 05 / Kabacchi/ トリカブト 


Angel’s Trumpet / Datura arborea / 木立朝鮮朝顔(キダチチョウセンアサガオ) / TANAKA Juuyoh (田中十洋)

トリカブトは生薬名を附子(ぶし)または烏頭(うず)といい、両方ともトリカブトをさす名前です。附子と烏頭の両者には違いがあり、トリカブト属の植物の母根を「烏頭」とよび、その傍生の子根を「附子」といいます。烏頭には川烏頭(せんうず)と草烏頭(そううず)の2種類があり、川烏頭は主に四川省で栽培されたものを指し、草烏頭は各地の野生品を指していいます。毒性が非常に強く、特に草烏頭はとても慎重に使わなくてはいけないとされています。実際に草烏頭を使った華岡青洲の麻酔薬も、数回にわたる人体実験の間に実母の死、妻の失明という犠牲を払うことになりました。
 

画像:wikipedia 附子

附子は、散寒薬とよばれる、温性・熱性を持つ、冷えや寒気などを伴う、嘔吐、下痢、腹痛などを改善する生薬です。その中でも附子は性質が「大熱」と、とても強い生薬で、すべての臓腑に通じるとされています。飲むとすぐに体が温まり、発汗します。しかし、毒性が強いので、一般には加工(中医学用語では「炮製・ほうせい」といいます)したものを使います。生で使う場合は作用が激烈なので、短期間で使うようにします。炮製したものは、炮附子とよばれ毒性が弱く、身体を温め、冷えを改善し、痛みを治す力を持っています。日本では、高圧加熱によって減毒した「加工附子」が良く使われています。日本で見られる附子が使われている漢方薬は、麻黄附子細辛湯、八味地黄丸、牛車腎気丸などがあります。注意点としては、冷えが強く、むくみがみられるような場合でないと使えません。潤い不足(陰虚内熱)や妊婦には使ってはいけません。
麻黄附子細辛湯は散寒止痛のお薬として、発汗促進・解熱、機能促進、代謝増高、抵抗力増強、鎮痛、血行促進などにつかわれ、利尿によるむくみの改善や痛み止め、咳止め、アレルギー性鼻炎の薬としても使われますが、冷えがベースにあることがこのお薬を選ぶポイントです。カゼやインフルエンザに使う時は、初期で、強い悪寒がして、余り汗をかけない場合に使います。
八味地黄丸と牛車腎気丸は補腎陽のお薬で、身体を温め、冷えを改善し、加齢に伴う足腰の弱り、冷え、痛み、夜間多尿などに使われれます。牛車腎気丸はさらにむくみの改善にも使われます。
 
 
 
初めて附子の原料が、あの有名なトリカブトであると知った時は本当にびっくりしましたが、毒と薬は使う方が勝手に決めているだけのことなので、当然と言えば当然です。前出のチョウセンアサガオの実や根にも、有効成分が多分に含まれており、海外ではシャーマンが行う、呪術的な儀式につかわれるほど強い幻覚作用をもった「毒」ですが、過去には鎮痙薬としても使われてきた経緯から、今でも日本麻酔科学会のシンボルマークとして使われています。現在では麻薬に指定されているアヘンから作られるモルヒネも、今私たちが手にすることができる中で最も強い鎮痛薬ですし、同じくアヘンをもとに作られたコデインも、咳を鎮める薬として市販の咳止め薬に広く入っていますし、覚せい剤の原料のエフェドリン(咳止め)の原料、麻黄(まおう)もれっきとした生薬です。インカ文明の時代には、コカの葉から作られた抽出液で鎮痛・麻酔して、頭蓋骨穿孔手術を行ったと考えらていますが、そのコカから生成されるのは、こちらも麻薬のコカインです。コカインはウィーンの眼科医によって、初めは目の局所麻酔薬として使われていました。さらに20世紀初頭までコカコーラにも入っていましたし、心理学の創設者で医師だったフロイトも、モルヒネの依存症を改善する薬としてコカインを処方していました。毒と考えられているものには、同じく薬効があります。薬効とは「人にとって都合の良い化学物資の影響」のことをさしており、逆に「好ましくない影響」は毒と呼ばれたり、副作用と呼ばれたりしています。今でも様々な毒から薬が造られていますが、華岡青洲の実母の死や妻の失明しかり、多くの犠牲の上にそれらも薬として使えるようになりましたが、薬と毒はやはり紙一重です。十分に注意して使用したいものです。
 
 

2013/10/23

美容と健康だけじゃなく、下痢や発熱時にも。今が旬の「リンゴ」のお話


061008_Yoyogi-koen park / yuko_photonote

今日10月21日の誕生果は「シナノスマイル」というリンゴだそうです。ちなみに実言葉は『少女の純潔』。そんな言葉にうっかりドキドキしてしまうおっさん店長櫻井です。こんにちは。
昨日、奥さんの叔母さん(義母の妹)のお誕生会をしようと、みんなでご飯を食べに行ったんですが、そこで出されたケーキを食べすぎて(義母が食べれないというので、二人分食べたんです)お腹を壊してしまい、帰りの電車内で大ピンチを迎えてしまいました。どうにか駅にたどりつき、お手洗いに駆け込んで事なきを得ました。それで家に帰ってテレビなんか見てると、なんだかお腹は空いてきたので、キッチンを物色してると、リンゴがあったので、早速たべることにしました。
そこでふと、小さいころ、熱があった時やお腹を壊した時に、母が、リンゴをすってくれたことを思い出しました。そのころから「リンゴはお腹に優しい。」「カゼの時、熱があるときに食べると良い。」と私の中に刻まれていましたが、そういえば根拠なんて考えたことなかったなっと思い、じゃあ明日のブログはリンゴの話を書こうっと考えていたわけです。
それで調べてみると、今日の誕生果はなんとリンゴじゃないですか!天のお導きを感じながら、ブログを書き始めた次第でした。


apples from Aomori / [puamelia]

リンゴとはバラ属バラ科ナシ亜科リンゴ属の果実のことです。日本の″業界″では一般的に「セイヨウリンゴ」と呼ばれているそうです。これに対して「和リンゴ」と呼ばれるものもあります。セイヨウリンゴは江戸時代に日本に入ってきたようですが、和リンゴはさらに前、平安時代ごろに中国からはいってきたものです。今では市場に出回っているほとんどのリンゴがセイヨウリンゴになりましたが、まだ日本にも少なからず和リンゴは残っているそうです。リンゴの原産地は、カザフスタン南部周辺だそうです。そこからシルクロードをへて日本に持ち込まれたようです。リンゴには沢山品種がありますが、日本だけでも100種類以上、世界的に見ると数千から1万以上の種類があるとされています。その中でも一番生産数の多い品種は日本の青森で作られた、みなさんご存知「ふじ」です。なんとも誇らしいですね。リンゴは9月から11月ごろに収穫される秋の果物で、ちょうど今が旬です。
人類がリンゴを食用としてきた歴史は古く、紀元前6000年前の遺跡から焦げたリンゴが見つかっているそうです。本草綱目にも「林檎」の記載ありますし、アダムとイヴが食べたのもリンゴです。そういえば、リンゴはほかの果実に比べ、いろんなところに登場してきますね。ニュートンが万有引力の法則を見つけたのもリンゴ。ウィリアムテルが息子の頭に載せて射抜いたのもリンゴ。アップル社のロゴもリンゴですね。


この林檎はたべられるのかなあ? / matsubokkuri

リンゴは、ポリフェノール、食物繊維、カリウム等を含む栄養価の高い果物です。ポリフェノールは、最近話題になってお茶にも良く入れられているカテキンよりも強い抗酸化作用が強い「エピカテキン」です。熱にも強いので、ジャムにしても壊れることは有りません。脂肪の蓄積を抑制し、活性酸素を抑制します。その他、がんの予防や美肌にも効果があるとされています。そして、水様性の食物繊維「ペクチン」は、水を含むとゼリーのようになって、腸内の老廃物やコレステロールを包み込んで排出させる解毒の力があり、乳酸菌の餌となって、腸内細菌バランスを整えます。便秘や下痢のときに良いというのはこのためですね。ペクチンは、実よりも皮に多いので、皮をむかずそのまま食べると良いですね。そのほかビタミンC、ミネラル、カリウムも豊富な、とっても栄養価の高い果物です。1日1個のリンゴは医者を遠ざける(An apple a day keeps the doctor away.)という諺にも納得です。


Importada Manzana Roja – 3.99 Soles / KG. / kawanet

中医学的に見てみると、まず性質は涼性で体内の余分な熱をさまします興奮を鎮め、潤いを生み、弱った胃腸の働きを整え、食欲を回復させたり、心の働きを調節して、不安や焦りを和らげたりする力もあるとされていて、かなり万能な果物です。高熱時の清熱、潤い補給、食欲不振、喉の乾き、寝汗などに良いですね。そんな時はすって食べるか、ジュースがよいかと思います。冷えからくる下痢には向いていません。冷えが気になる方は、焼き林檎にしたり、ジャムにしてシナモンを足すか、アップルパイなんていかがでしょうか。ジャムは切って煮たものに、はちみつを加えてドロドロになるまで煮詰めるだけ。出来上がったら細かく切ったペパーミントをいれるとさっぱりした風味と香りが広がります。食べるときにシナモンパウダーを振り掛けたり、煮詰める段階でちょこっと入れたりすれば、さらに涼性が緩和され、冷えが気になるこの時期にもおすすめです。アップルジンジャーってのもありますし、温性の生姜やシナモンと相性が良いのは自然のプレゼントという気がします。


焼きリンゴ / yutaka-f


手作り林檎ジャムトースト / norio_nomura

ということで、母は正しかったんですね。下痢や熱が出た時にはリンゴをすったものを食べてください。お子さんにもそういって教えてあげると、大きくなった時にきっと役に立ちますよ。せっかくの機会なので、たまには母に電話でもしてみようかと思います。
 
 

2013/10/21

冬に汗をかく運動は間違い??「中医学的冬の養生」のお話

こんにちは、櫻井です。今日は昨日の慌ただしさとは打って変わって静かな一日です。今日はゆっくりブログがかけます。
今日は、関東地方ではまだちょっと早いですが、北海道ではもう平野部でも初雪が観測されたようなので、「冬の養生」について書いてみたいと思います。
 

冬は『穏やかに、温めて、おとなしくが養生の基本

まずはとにかく冷やさないことが大切です。中医学の古典「素問・四季調心大論」には、「冬の三月を〝閉蔵″と言う。水は凍り、地は避ける・陽気をかき乱してはならない。早寝遅起き、必ず日が昇るのを待って起きる。志は伏せて、静かにしておく。私意のある如く、すでに得るが如き、寒をさりて温め、皮膚より洩らさず、気を奪われてはならない。これが冬に応じること、養蔵の道である。この気に逆らえば、腎を損ない。春に足がしびれる病となり、生を助ける気が少なくなる。」っとあります。わかりやすく言い換えると、「冬は早く寝てゆっくり起きる。気持ちも穏やかに保ち、心身ともにあまり活動的にならず、温かく過ごすことが大事だが、運動などで汗や気を漏らさないようにする」というふうになります。冬場こそ運動して体を温めたほうがよさそうですが、そうではないようです。温存が大事です。
秋には紅葉となり、冬に入る前に葉を落とす植物や、冬の間は冬眠する動物は、この法則をまもり生きています。春に花を咲かせ、元気に活動できるように、人も自然の一部としてその流れに従い、温かく、穏やかに過ごすことが大切です。
 

 

食べ物は、身体を温めるもの・潤いを養うものを

野菜や果物は生のままで食べると体を冷やしてしまうので、熱を加えたり、温める食べ物と一緒に摂りましょう。冬に冷えは大敵です。冷えは男性にももちろん見られますが、女性に多く見られます。特に下腹部付近は、運動量が少なく熱を発生しにくい場所なので、一度冷えるとなかなか温まりません。女性は男性に比べて下腹部の内臓が多く構造が複雑ですので、冷えて血液循環が悪くなりやすいです。冷えてしまうと、老廃物やガスがたまって内臓は異常な動きをしてしまいます。生理痛がひどくなることもあります。体のどこかが冷えている人は、食べるものや普段の服装などに注意が必要です。冷たいドリンクを飲みすぎていませんか?サラダやヨーグルトを毎日食べていませんか?冬場に丈の短いスカートを穿いていませんか?くるぶし・足首を出していませんか?家でも靴下はいてますか?冷え対策には日々の心がけがとっても大切です。
 

身体を温めるには、身体を温める力のある食材を中心に

羊肉、鹿肉、鶏肉、鮭、ドジョウ、エビ、サンマ、カボチャ、クルミ、栗、棗、桃、蓮の実、ギンナン、ニンニク、タマネギ、ネギ、ニラ、ユリ根、紫蘇、生姜、山椒、胡椒、シナモン、トウガラシ、黒砂糖、イモ類、根菜類なども火を通してたっぷり食べると良いでしょう。
 

 

中医学で冬は「腎」の季節

腎は身体を温める臓器、いわば体のストーブです。寒い冬は腎が弱りやすい季節でもあります。腎にはその他、生長発育、生殖、水分の調節などの機能があります。そして、髪、骨、歯、耳、脳なども腎と深く関係があります。腎を守るためには、上記の食べ物に加えて、しっかり保温すること。腰周りを冷やさないことが大切です。腎が弱ると、腰痛や冷え、そして耳が遠くなり、骨が弱くなり、頻尿、記憶力の低下、ホルモンの低下による精力減退、下半身の脱力感、脱毛・白髪、肌の乾燥などなど様々な老化現象が起こりやすくなります。もちろん妊娠にも男女ともに悪影響があるのは言うまでもありません。
 
 
冬場に素足をさらしている人や、アイスクリームを食べている人、氷の入った飲み物を当たり前のように飲んでいる人を見かけると、とっても心配になってしまいます。若い人は意識は無いでしょうが、将来冷えや不妊で苦しみはしないだろうか、、などとほんと余計なお世話ですが、気になってしまいます。中国から来た先生は、日本のお年寄りが冬場に薄着にサンダル一つで屋外にでてゴミ捨てなどをしているのを見てびっくりされたようです。勿論日本の家屋が温かいので部屋では薄着をされている方も多いのでしょうが、日本ではたしかに「冷え」に対する心構えは老若男女問わず低い気がしますね。
これからますます寒くなってきますので、しっかり防寒し、温かいものを食べて、なるべく穏やかに過ごして厳しい寒さを乗り切ってくださいね。
 
 

2013/10/19

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売