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ブログ日記 | イスクラ薬局 六本木店BLOG

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秋にもおすすめ。潤い「トマト」のお話。

朝晩肌寒くなってきましたね。昼間も肌寒くて一枚羽織るぐらいがちょうどよい、気温耐性は女子並みの店長櫻井です。皆様こんにちは。私、そこそこおっさんですが、寒がりでエアコンの温度調整には薬局スタッフの中でも一番うるさいです。さらに湿度にもうるさくて、夏は除湿機、冬は加湿器ガンガン稼働させて、まったくエコではありません。これもお客様のためです! ごめんなさい。半分は自分のためです。。
 

 暑いのが苦手な【トマト】

さてさて、今日はトマトのお話をしたいと思います。「なんでこの寒くなった時に身体を冷やすトマトの話?」と思われた方、日ごろ私のツィッターなり、ブログを読んでくださっていらっしゃる方だとお見受けします。ありがとうございます。そうです、トマトは身体を冷やす「寒性」の野菜。そして夏の季語でもあります。しかしトマトは実は、強い日差しを好みますが、涼しい環境が好きで、高温多湿は苦手なんだだそうです。なので、トマトがほんとにおいしいのは春から初夏にかけてと、秋だそうです。なんとも不思議ですね。
 


ジャンボトマト / pika1935

毒があると思われていた【トマト】

今を去る事193年前、日本ではシーボルトが来日する少し前の今日、1820年9月28日は、アメリカ・マサチューセッツ州セイラムでロバート・ジョンソンが「トマトを食べて、トマトが安全である事を証明した日」らしいです。トマトは昔、まだヨーロッパに南米からもたらされたばかりのころには、毒のある植物だと思われていたそうで、主にお金持ちの庭園で鑑賞用として育てられていたそうです。当時は今では考え付かないような階級社会。庭の手入れをしていたのはもちろん貧困層の人たち。そんな人たちは食べるものにも事欠いていたので、毒だろうとなんだろうとこの真っ赤な実を食べてしまえ!ということでガブっといってしまったそうです。しかし、待てど暮らせど死にそうもありません。そこでやっとこの植物には毒がないと言うことに気付いたそうです。そこで貧困層の人々はこの毒だと思われていた食物を食用に改良としようとしましたが、なかなか広がらなかったそうです。その理由として、トマトの実は当時毒があり、呪術的な儀式でも用いられていた「ベラドンナ」という植物の実に良く似ていたからだそうです。

一方、アメリカでもそんなトマトは不人気で、やっぱり毒があるとおもわれていました。そこで、ロバート・ギボン・ジョンソンは、自分の庭で育てていたトマトに毒が無いことを証明しようとして、裁判所の前に多くの人々を集め、その前で食べて見せました。もちろんロバートが死んでしまうようなことはなく、おいしく食べてしまったそうです。
 


100_2048 / misawakatsutoshi

中医学で見る【トマト】

そんなトマト、中医学的に見てると、性質は寒性で、やはり体の熱をとる働きがあり、この時期、おいしいからと生でたくさん食べるのはお勧めできません。喉の乾きを止める力があるとされるので、スープに入れたり、火を通したりして、寒性を和らげたうえで食べることをお勧めします。その他、解毒作用があり、肝の働きを助けるとされているので、老化防止や美肌にもおすすめです。ドイツでは「トマトは医者を青くする」といわれるぐらいの健康食品。あの赤い色はたくさん含まれるカロチンの色。カロチンに含まれるリコピンには、体内の活性酸素を除去する働きがあるとされ、老化防止やガンや動脈硬化の予防にも効果があるとされています。リコピンは熱で損なわれることはなく、オリーブオイルを使うと増強されるので、パスタのソースには最適ですね。もちろん湯剥きしても、加熱処理された缶詰でもリコピンは無くならないので、安心して火を通して食べてください。
トマト
【性味/帰経】 微寒・甘酸/肝脾胃
【効能】 生津・止渇・涼血・平肝・健胃・消食・解暑
【禁忌】胃腸が弱っている、下痢をしている、高齢者、妊婦、小児は、生で沢山食べるのは控えましょう。
 


そら豆のスープ / saksan


レンズ豆のトマトスープと、秋鮭と野菜のワイン蒸しで晩御飯。 / klipsch_soundman

旬のものには、その季節に合った特性がありますが、トマトはもともと南米が原産なので、日本の季節や気候とは本来は合致していません。しかし、乾燥の秋には嬉しい潤い補給をしてくれるので、温めて食べるようにしてくださいね。

2013/09/28

10月中医学講師相談スケジュール

もう早いもので今年も10月。ここから気温は一気に下がり、空気も乾燥してきます。喉や鼻など呼吸器系の乾燥に気を付けながら、常に身体を冷やさない気配りが大切です。特に子宝でお悩みの場合に冷えは禁物です。温かくしてお過ごしください。もし気になる不調がありましたら、お気がるにお電話くださいね。
 

●10月のスタッフ勤務予定日

櫻井 大典 : 毎週火曜日休み

田宮 雅子 : 毎週金曜日休み

木下 光江  : 毎週火曜日出勤

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中医学講師の詳しいプロフィールなどはこちらをクリック

2013/09/28

胃腸を丈夫にして、元気を補う「さつまいも」

秋・秋・秋と毎度ここで書き続けておりますが、こうも毎日となると本格的な秋を目の前にしてネタ切れにならないか心配です。こんにちは。櫻井です。

秋の味覚といえば、栗、梨、秋刀魚、マツタケ、などなど、思い出されるものは多々あるとは思いますが、私はどうしても「サツマイモ」が外せません。焼き芋屋さんのあの、「いしやぁ~~きいもぉ~~~~」っという声には心踊らされます。「たかがイモ!」と思って勇んで買いに走ると、これが結構イイお値段するんですよね。かわいい娘さんなら焼き芋屋のおっちゃんもおまけしてくれそうなもんですが、私のようなむさくるしいおっさんが行ったところで別段得なことはございません・・・。なので、サツマイモを買ってきて自分で焼きます。たき火が出来たり、薪ストーブがあればベストですが、マンションですのでそんなテンションの上がるものはございません。家で焼くにはオーブンが良いようですが、我が家には残念ながら小さなトースターしかありません。炊飯器でもできるようですが、それだと焼き芋というよりは蒸イモになってしまい、ぱさぱさして、どうも狙った通りの「ねっとり感」が出せません。
 
そこで色々調べてみると、なんと魚焼きグリルで焼く方法があるではないですか!これならしっかり「焼き芋」ができそうなので、早速試してみました。うちのグリルはそんなにでかくないので、まるっこくて太いのは入りません。細身のイモをそのままでもいいのですが、濡らしたペーパータオルでくるんで、その上からアルミホイルでくるみます。こうするとふっくら焼きあがる気がします。そして魚焼きグリルにぶち込んで弱火で待つこと、、、40分。。。長い。。長いですが、サツマイモの甘味は、熱ででんぷんが糖に変わることで生まれる(60度で長時間が理想)ので、じっくりしっかり焼いた方が甘くねっとり焼きあがります。串がスーッと入ればOKです。大きさや火加減によって焼き時間はかわるので、時々串をさしてみてくださいね。


#yakiimo #焼き芋 / fusionata

サツマイモ

サツマイモは中南米原産とされ、ポルトガル人あるいはスペイン人によって東南アジアに導入され、フィリピンから中国をへて、沖縄の宮古島にもたらされ、17世紀の初めごろに九州へ、そして本州へと広がったとされています。
サツマイモは荒地でも育ち、繁殖力も高いことから、飢饉のたびに民を救ってきたようです。江戸時代、薩摩藩はサツマイモを門外不出として、保護していました。農業技術が低い当時においても、薩摩藩は一人の餓死者も出さなかったと言われています。時は太平の世といわれた時代であっても、食量の確保は、国力に大きく影響する大切なものだったので、荒れ地でも育ち、初心者でも失敗しにくいサツマイモは、厳重に保護されていました。そんなサツマイモが各地に伝わった裏には、座礁した薩摩藩の船を救助したことのお礼として伝わったり、密使を送り、文字通り命を張って厳しい監視をかいくぐり持ち帰ったりと、数々の物語があったようです。


焼き芋でーきた!ホクホクでうまい! / y_ogagaga

サツマイモを中医学的に見てみる

サツマイモを中医学的に見てみると、平性で身体を温めたり、冷やしたりする作用がなく、どんな人にもおすすめです。胃腸を丈夫にし、元気を補います。ビタミンCやカリウム、食物繊維が豊富なので、美肌づくりや、便秘、高血圧が気になる方にもおすすめです。元気がない、食欲がない時には、おかゆにサツマイモを入れても良いですね。おかゆもさつまいもも、胃腸の調子を整え、元気にしてくれます。炊飯器に切ったサツマイモを入れて炊くとサツマイモご飯が簡単に出来上がりますよ。おかゆがつくれる炊飯器なら、サツマイモ粥も入れっぱなしでスイッチ入れるだけで完了です。一点注意したいのは、胃腸を元気にするサツマイモには、食欲を高める成分が含まれていますので、ダイエット中の方や、太り気味の方はお気を付けくださいね。
 
では早速今日の帰りにサツマイモ、買って帰りたいと思います。焼き芋を造ったらまたご報告します。
 
 

2013/09/27

栄養満点!捨てるところがない「桑」お話

こんにちは。櫻井です。
今日は台風が近づいているせいで、雨がぱらつく一日です。湿度も、この季節には珍しいぐらい高く、イスクラ薬局六本木店内の除湿機も、昨日は一日で満タンになりました。今日も朝排水しましたが、もう5cmぐらい溜まっています。こうなると気になるのは『湿邪(しつじゃ)』の影響。乾燥でやられていた呼吸器系(肺、気道、口、鼻、肌)には優しい「湿」ですが、胃腸は「湿」を嫌うので、水はけが悪い体質の方だと一気に影響を受けてしまい、だるさ、食欲不振、便秘、軟便、頭痛など様々な症状が出てしまう方もいらっしゃると思います。(詳しくはこちら〝台風と体の不調″をご参照ください。)
 
そんな今日、9月26日は、なんと台風襲来の特異日。統計上台風襲来の回数がとても多い日だそうです。1954(昭和29)年の「洞爺丸台風」で青函連絡船・洞爺丸が転覆したのも今日、9月26日。 1958(昭和33)年の「狩野川台風」が伊豆・関東地方に来襲したのもこの日。さらに、1959(昭和34)年、東海地方等に台風15号が来襲し、明治以来最大の被害をだした「伊勢湾台風」もこの日で、被害は全国で死者・行方不明者は5000人を超え、57万戸の家屋が全壊・もしくは半壊したとのことです。そして今日、2013年9月26日には台風20号は本土上陸は有りませんでしたが、最接近した日となりました。歴史は繰り返されるといいますが、地球規模の気候変動もまさにその一つなのかもしれません。
 

 
9月26日の誕生果は桑の実(くわのみ)だそうです。
〝熱帯から温帯に分布するクワ科クワ属の落葉高木を総称して『桑』と呼び、その品種数は100以上に達しています。日本人に馴染みがあるヤマグワ・カラヤマグワ・ログワの3種類は、お蚕さんの飼料として古くから栽培されています。雌雄異株で春に淡黄色の花が咲き、初夏には赤い実をつけて黒紫色に熟します。 日本では切っても切っても、又・又・又・木になるということで桑となったように葉が注目されているのに対し、英語のマルベリー(mulberry)は果実に対してつけられたものです。”だそうです。(株式会社カイレンテクノブリッジ ホームページhttp://www.mulberry.jp/about_mulbe.html参照)
 

画像:wikipedia

桑の実の濃い紫色の小さな粒粒とした果実は甘酸っぱく、ヨーロッパではジャムにして食べられたり、ワインなど同様に発酵させた『桑実酒』も造られています。
中医学で桑の実は、「桑椹子(そうじんし)」と呼る生薬で、生薬の古典、約1800年前に書かれたと言われている、「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」にもその薬効が書かれています。性味は寒で、甘。帰経は心、肝、腎に入り、血を補い、潤いを補う力に優れていることから、口渇、便秘、体力の低下、めまい、貧血、目の香住、白髪、耳鳴りなどに用いられています。ちなみに桑の木根の皮も「桑白皮(そうはくひ)」という生薬で、袪痰、消炎、利尿のお薬として使われています。そして若い桑の葉はてんぷらにして美味しく、さらに薬効成分も含まれ、お茶にして飲めば、血糖値の抑制、コレステロールの低下が望めるとされています。さらにさらに、桑の葉を食べた蚕のフンにも同等の効果があるとされ、こちらも漢方では「蚕砂(さんしゃ)」という生薬としてつかわれています。桑はとにかく捨てるところがない植物です。

 桑の実は、とても栄養豊富で、カルシウムではりんごの13倍、鉄は15倍、カリウムは2倍、ビタミンCは10倍カリウムを除いてはにんじんと同等またはそれ以上含まれているとされています。(上記ホームページ参照)
 
桑は、蚕のエサとして日本各地で栽培されており、日本でも昔は馴染みの深い植物でした。桑の実の旬は、残念ながらこの時期ではなく4月~5月の春時期。中医学的にみると、肝に入り、肝の血を増やす力があるとされているので、春先の不眠や自律神経の不調も癒してくれるでしょう。なので、秋も迫るこの時期になぜ「桑の実」が誕生果なのかは、ちょっと疑問ですね。
台風のおかげでいったんは乾燥の影響は落ち着いていますが、これからは潤いの補給、胃腸機能の回復に気を付け、厳しい冬の寒さにしっかり備えていきたいですね。そんな時、もし手に入れば、身体を潤してくれる桑の実はおすすめです。ベリー系は総じて身体を冷やすので、熱を加えたジャムか、飲み過ぎに注意ですが、焼酎につけた「桑の実酒」が良いかもしれませんね。
 
 
 

2013/09/26

『スミ』には止血効果がある。

こんにちは。櫻井です。
伝統とルール、多種多様な人たちが生活する現代での共存というのは難しいものです。
先日、マオリ族の女性が刺青のため大衆浴場に入浴できなかったというニュースがありました。
世界は広く、刺青が伝統的な民族文化として色濃く残こっているところもあり、日本もこれから国際化社会を目指していくには、ルールは変わっていく必要もあるかもしれませんね。刺青がなぜだめか、っというのは簡単には言い切れませんが、刺青=暴力団の時代が確かにあったことは否めません。刺青は江戸時代では、罪人に対して懲罰的な意味で行なわれていました。おでこに肉ならぬ「悪」と書かれたこともあったようで、文字通り悪の証のような物となっていましたが、そこに日本人の几帳面な性格や美的センスが加わり、文化となって華開いたようです。
刺青と医学の間には少なからず縁があり、オーストリアで発見された5300年前の40代の男性ミイラ死体『アイスマン』の体には、鍼灸のツボの部分に相当する部位に刺青があったそうです。その『ツボの刺青』は、アイスマンからだけでなく、シベリアのアルタイ山中パジリク古墳から発見されたミイラ遺体にも見つかったそうです。もしかすると中国発祥とされてきた『ツボ』という概念は、古代の『医療』の常識であったのかもしれませんね。

少々強引ですが、『スミ』と言えば、中医学の生薬でも昔から多用されています。こちらの『スミ』は、墨ではなく、炭のことです。中医学で炭とは、生薬などを黒い炭になるまで炒ったもののことです。炭になった生薬は多くのものに止血の効果があるとされています。民間薬でもハマグリやシジミの貝殻の灰を湿布薬にしたものは外傷の止血に使われていたようです。
なぜ墨に止血の効果があるか中医学的に解説すると、炭の色は黒で黒は五行説では水に属します。そして血の色は赤で赤は五行では火に属します。水は火を消す:抑制する(相克 そうこく)の関係にあることから炭にした生薬には流血を抑制する止血の作用があると考えられたそうです。まぁ、理屈よりも効果が先にあったとは思われますが。
止血をする炭の中でも有名なものに、『血余炭(けつよたん)』もしくは『乱髪霜(らんぱつそう)』という生薬があります。これは人の毛を炭になるまで炒った生薬で、鼻血や月経過多、補陰や利尿に使われています。内服したようですが、湿布のようにして、外傷にも使われていたようです。今でも手には入りますが、さすがに使っているところを見たことは有りません。
 

炭は古代からとても身近な、ありふれた存在だったので、止血や入れ墨に使われていたのかもしれません。古代の文献や記憶は様々な理由でその多くは形をとどめていませんが、もしかしたら今よりも進んだ医療が存在していたのかもしれませんね。時代とともに変わっていくもの、変わらないもの、いろいろありますが、後世からみると本当に大切なものこそが失われてしまうのも、また世の常とも思え、難しいものです。

2013/09/25

イスクラ薬局の運営会社情報

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本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売