子宮筋腫の第5回(最終回)は、筋腫と疲れです。
子宮筋腫の方の中には、こんな会話があります。
“体が疲れやすいんです。”

。。。どんな風に疲れるのですか?

“毎日、たくさん寝ています。何かしたい気持ちもあります。何かしてもよいのですが、後で疲れがとれなくなります。“
たくさん寝ていますというところだけを聞くと、健康的でとても良いですねと言いたくなります。
そんな健康的な方はやる気があるのに、疲れがとれなくなってしまう。。。のです。
やる気とは何でしょうか? 体力のある人が、自分のエネルギーを用いて何かをしたくなる気持ちと言えます。
中医学では、食事から取り入れた気や血が充実した体で動かされる心の気と言えます。
体の疲れとはどうでしょうか? やる気と共に物事を行った時に生じる、持っている体力の消耗とその感覚と言えます。
中医学では、体力という気が足りなくなった(気不足や気虚)ために生じる倦怠乏力と言えます。
筋腫は今までで述べましたように、血行の悪い瘀血と考えられています。
ご紹介してきた血行が悪くなる原因には、他に気不足や気虚があります。

気虚の方は、顔色蒼白で体力が少なく、非常に疲れやすくなります。
先ほどの方は、どうでしょう。気虚のタイプです。疲れやすく、たくさん寝ていたいのです。
寝ていても体力をいつも以上に使うと、疲れがとれなくなります。
体力と筋腫の間には面白い関連があります。過労や、大病をすると筋腫が大きくなります。
体力が少ない気虚の方は瘀血を作りやすいので、筋腫も増やし易くなります。
先ほどの方には、もう一つ気になるところがありました。
“何かしてもよいのですが、後が疲れる。。。”です。

気虚の方は、体力と共に風邪もかかりやすくなったり、心の気も少なくなったりしますが、
情緒を主とする肝の気も動きが悪くなり、気分にむらがでやすくなります。
気分が良いと、急に何かしたくなり体力を大きく使ってしまいます。
無理をして何かしてしまうと、患っている他の病気や風邪も長引き易くなりますので、
どうぞお気をつけてください。
5回にわたり、筋腫についてあれこれ述べてみましたが、皆様の体の発見につながると幸いです。
では、新テーマで、また、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
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