「糖尿病」・・・三大合併症だけでなく認知症にまで!
いま、日本の成人の約5人に1人が糖尿病患者または予備軍と言われています。糖尿病はとは、血糖値が高くなる病気です。普通、食べ物や飲み物は消化されると、体内を動かすブドウ糖に変わります。血糖値とは、このブドウ糖が血液の中にどれぐらいあるかを示すもので、糖尿病になると、ブドウ糖が血液中にあふれてしまい、それを必要とする細胞まで運ばれず、血糖が常に高い状態が続く病気です。
:血糖値を下げる・・・インスリン
インスリンはブドウ糖をコントロールしてくれるホルモンです。膵臓でつくられ、正常な場合は血糖値も正常に維持されます。それだけでなく余ったブドウ糖を脂肪やグリコーゲンに変えて蓄える働きもあります。糖尿病の方はこのインスリンの働きがうまく作用されないため血糖値が高くなってしまいます。
糖尿病のタイプは、3種類です。
・1型糖尿病:膵臓でのベータ細胞というインスリンをつくる細胞が壊され体内の中にインスリンの量が足りない人。幼少の頃から始まることが多いため以前は小児糖尿病、インスリン依存型糖尿病と呼ばれ、糖尿病全体の約5%がこのタイプになります。
・2型糖尿病:遺伝的な要因の他に、食事の摂り過ぎや運動不足など、生活面での要因が加わり、インスリンの働きが悪くなり起こるものです。糖尿病全体の約95%がこのタイプとなります。
・その他特定の疾患または変化によるもの:遺伝子的異常や肝臓や膵臓の病気、感染症、免疫の異常など他の病気が原因となるもの、薬剤のもの、妊娠によって起こるものなどがあります。
本当に怖いのは合併症・・・
糖尿病の三大合併症は「網膜症」「腎症」「末梢神経障害」が有名です。いずれもゆっくり進行し重症化する、とても怖い病気です。例えば「網膜症」は成人失明原因の第2位で、「腎症」は「透析」導入の原因の第1位です。「末梢神経障害」では四肢切断原因の第1位です。それだけでなく脳梗塞や心筋梗塞などの「動脈硬化症」、「白内障」や「緑内障」、「足の壊疽による切断」、カゼを引きやすくなるなど、生命を脅かすものまであります。
Plugged into dialysis / newslighter
最近では認知症の原因にも・・・
年をとるともに物忘れは増えるものですが、物事を記憶し、考え、周囲とコミュニケーションを取るのがむずかしくなる認知症の症状が出始めている方は、日本に約400万人、65歳以上の約8人に1人と言われています。高齢化により、特にアルツハイマー型認知症の患者が急増しております。福岡市に隣接する人口約8400人の久山町で九州大学が続けている住民追跡調査で、糖尿病患者はアルツハイマー型認知症になるリスクが約2倍も高くなることが報告されており、糖尿病を防ぐことが認知症の予防に繋がることも示唆されています。
糖尿病で心がけることは・・・
糖尿病は、生活習慣病の予防、食事や運動、睡眠など、日頃の生活のバランスが重要で、日頃からそういったことを意識することにより、合併症の発症や進行を阻止して、日常生活の質を確保することにつながります。
運動:無理のない軽い運動を心がける、万歩計を使って目標を設定し、駅などではなるべく階段を使うようにする、歩くときは大股で少し早めにするなどがオススメです。
睡眠:夜更かしをせずに規則正しい睡眠を確保すること、1時間でも早く寝るように心がけてください。
食事:「1日3食」「量」「栄養のバランス」これらを守ることが一番大切です。食事を抜くと血糖値は一気に下がります。そうすると低血糖の原因になります。また一度にたくさん食べると、インスリンを分泌する膵臓に負担がかかってしまい、血糖値が急に上がることもあります。まずは1日3食を厳守し、適正なエネルギー量の範囲で、様々な食品から栄養のバランスを考えて食べていきましょう。
Jogging at Princess Park / will ockenden
中医学では「消渇」
中医学で糖尿病は「身体の消費が激しく、のどの渇きがある」という症状から「消渇(しょうかつ)」と呼ばれてきました。遺伝的な要因や食事の不摂生、ストレスなどが原因となり、特徴的な「肺」「脾」「腎」の症状がみられます。
肺:上消(じょうしょう)口が乾き多飲になる(軽症)
脾:中消(ちゅうしょう)食欲が過剰で多食になる(中度)
腎:下消(げしょう)尿量が非常に多くなる(重症)の三消に区別され約千年以上からそれぞれに応じて治療が行われてきました。
例として漢方薬では糖解錠、白虎加人参湯、牛車腎気丸、温胆湯などが上げられます。ただし、あくまでも一例ですので実際ご服用の際には相談漢方店にてご相談された方がよろしいかと考えます。