夢をよく見ることと体の関係
皆さんも普段何気なく夢を見ているかと思います。しかし、実はここにも体内からのサインが隠されているのです。
夢とはおもしろいもので、現実味のあるものからあきらかに仮想的なものまで本当に色々と見ますよね。睡眠中には浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠が繰り返されますが、実際に夢を見るのはレム睡眠の間が多いようです。
“夢”を国語辞典で調べてみると「睡眠時に生じる、ある程度の一貫性をもった幻覚体験。多くの場合、視覚像で現れ、聴覚・触覚を伴うこともある。非現実的な内容である場合が多いが、夢を見ている当人には切迫した現実性を帯びている」とありますが、明確な定義はないようです。
中医学で”多夢・悪夢”を考えると…
中医学では睡眠中に夢をよく見ることを多夢といいます。たまに夢を見る、夢を見ても不快な感じがないのであれば特に問題はないのですが、いやな夢や現実的な夢は体の不調と関わりがあると考えます。タイプ別にしますと次のようになります。
1.心脾両虚
脾と心はお互いに協力し合って血液の生成・運行、精神活動の調整をしています。しかし、思い悩みやケガ、病気、女性では月経血過多、出産などによる脾気・心血の不足が、精神活動に異常をきたすことで睡眠に影響が起きてしまうのがこのタイプです。
他にも眠りが浅い・動悸・息切れ・疲れやすい・不安感・健忘・軟便などの症状を伴うことがあります。
漢方薬では
胃腸を整えながら気血を補うような心脾顆粒(しんぴかりゅう)がおすすめです。
2.心腎不交
心は火(=陽)を、腎は水(=陰)をコントロールしていて、陰陽のバランスがとれることで、正常な生理機能が保たれています。この陰陽のバランスが崩れ、心火が旺盛になることで睡眠に影響が出てしまうのがこのタイプです。
その他、寝つきが悪い・イライラ・目の充血・のぼせ・ほてり・寝汗・耳鳴りなどの症状を伴うことがあります。
漢方薬では
陰分を補い、陰陽のバランス整える天王補心丹(てんのうほしんたん)がおすすめです 。
3.痰熱内擾
飲食の不摂生や脾の機能低下などにより体内に湿が生じ、蓄積すると痰になります。痰は熱を発生しやすく、痰熱となり心神を侵されたことで起きるタイプです。
他にも怖い夢をみる・イライラ・動悸・痰が多い・怒りっぽいなどの症状を伴うことがあります。
漢方薬では
痰熱を取り除き脾の働きを整えるイスクラ温胆湯(うんたんとう)がおすすめです。
おおまかに上記のように考えますが、実際に漢方薬をご希望の際は店頭にてご相談ください。
多夢,悪夢,