そして一口に倦怠感や疲れ、体力の無さにもいろいろな体質タイプがあると漢方では考えます。例えば食欲はあるのか、体が冷えていないか、むくみはあるのか、舌の状態はどうかなど、漢方は症状を細かく見てそれぞれの体質に合う漢方薬を選択します。
つまり体力を回復させ、倦怠感を改善することは漢方の得意分野の一つと言えます。
漢方から見た倦怠感の体質タイプ分け
では、生理不順の原因には具体的にどのようなものがあるか見ていきましょう。
胃腸が弱く食欲がない気虚タイプ
ではこれから倦怠感が起こりやすい代表的な体質とそれぞれのタイプに合う漢方薬をご紹介します。
体がだるく力が入らない、軟便気味、顔色が悪い、息切れ、声が低く弱々しい、風邪を引きやすい、舌の色が淡い、歯形が付くなど
体の活動のエネルギー源である「気」は、主に胃腸の働きによって生み出されます。そのため胃腸が弱いと「気」を十分に生み出すことができず、気の虚弱状態へと陥ります。主に、エネルギー不足や栄養不足の全身症状、胃腸虚弱の症状、免疫機能低下の症状などが見られます。
胃腸が弱いだけでなく体が冷える陽虚タイプ
腰痛、むくみ、めまい、健忘、耳鳴り、顔色が白い、慢性疾患がある、加齢、舌の色が淡く苔が白い
前述の気の虚弱状態がある程度まで達してしまうと、体を温める機能も低下してしまい冷えも生じてしまいます。冷えが生じると水分代謝も滞り、体に余分な水分(湿)が停滞してしまいます。そのため倦怠感や疲れやすさは気虚タイプと同様ですが、陽虚タイプは冷えやむくみの症状も発生します。湿は体を重怠くさせるので、疲労、倦怠感も一層増すことになります。
お腹や胸が張ってもやもややイライラがある気滞タイプ
生活にストレスが多い、憂鬱、イライラ、不眠、こめかみの痛み、乳房の張り、両脇の張りなど
他のタイプが気血の不足からの倦怠感や疲労感ですが、気滞タイプは気の巡りの障害が原因です。そのため、他のタイプは夕方から症状が悪化しますが、気滞タイプは朝の起床時が倦怠感が一番強く、その後日常生活で体を動かすことで気が巡り、夕方には症状が軽減するという特徴があります。生活にストレスが多いと気の巡りが滞ります。気の滞りによって一番影響を受けるのが精神症状で、基本症状は憂鬱、熱を伴うとイライラや不眠の症状へと発展します。そして気が滞ると水分代謝も滞り、湿が停滞し、倦怠感が増すケースも多く発生します。
立ちくらみやめまいがあり髪・肌が乾燥しがちな血虚タイプ
顔色が白く艶がない、白髪や抜け毛、目の疲れや視力の衰え、不眠など
気血は密接な関係があり、血が不足していると、気も十分にその力を発揮できません。そして気が上手く作用しないと血を十分生み出すことができないのです。血には体に潤いや栄養を与える役割があるので、血不足になると脳に栄養がいきわたらずめまいや立ち眩み、肌や髪に潤いや栄養が不足し乾燥したり、白髪となってしまいます。目にも栄養が行き渡らないので、眼精疲労や視力の低下にもつながります。
体質ごとの倦怠感におすすめの漢方薬
では、次に体質のタイプ別のお勧め漢方をご紹介します。
気虚タイプの方には・・・
胃腸を丈夫にして気を養う生薬を使用します。(黄耆、朝鮮人参、西洋人参、シベリア霊芝、党参、白朮など)
おすすめの漢方薬:補中丸、健脾散顆粒、健胃顆粒、衛益顆粒など
陽虚タイプの方には・・・
陽気を養い、体を温める機能を回復させる生薬を使用します。(鹿茸、冬虫夏草、食用アリ、海馬、桂皮など)
おすすめの漢方薬:参馬補腎丸、八味地黄丸、参茸補血丸、牛車腎気丸など
気滞タイプの方には・・・
気の巡りをスムーズに整える生薬を使用します。(柴胡、陳皮、枳殻、木香、香附子など)
おすすめの漢方薬:逍遥顆粒、加味逍遙散、開気丸、シベリア人参など
血虚タイプの方には・・・
血を養い、体の潤いや栄養不足を回復させる生薬を使用します。(当帰、枸杞子、竜眼肉、阿膠、地黄
おすすめの漢方薬:婦宝当帰膠、心脾顆粒など
以上タイプ別にご紹介してきましたが、体質のタイプは単独でなく、複合することもあります。どちらのタイプを先に対策していくか、又は両方同時に対策を行うかはその時のご体調、季節などによって変わってきます。
まとめ
以上、倦怠感、疲労が発生しやすい体質、その体質に合った漢方薬をご紹介しました。日頃から疲れにくい体調を維持するには、普段の生活習慣が最も大事です。特に栄養を消化・吸収する胃腸の調子を整えることは、皆さんの考えている以上に大事なことです。
生活習慣改善の第一歩として、まずは消化に良いものをよく噛んで食べて、冷たい飲食物は控えてみましょう。
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