自覚症状がない方はついついそのままにしてしまいがちですが、以上の理由からも高血圧は放置しておくべきではありません。リスクを下げるには血圧を適正に保つことが重要です。様々な研究から、血圧が20上がればリスクは2倍に、逆に上の血圧を5下げるだけでも脳心血管疾患のリスクが下げられると分かってきました。
高血圧や高血圧の随伴症状(頭痛・肩こりなど)には漢方薬の服用も効果的です。
では、これから体質ごとに高血圧にお勧めの漢方薬をご紹介いたします。
高血圧の随伴症状別体質チェック
以下に高血圧の症状別の体質タイプをご紹介します。体質の鑑別には随伴症状がポイントとなります。一つ一つこれからご紹介していきますね。
頭痛・肩こり・イライラがある肝陽上亢タイプ
神経が高ぶっている症状に加え、のぼせ、耳鳴り、めまい、頭痛、目が赤い、顔が赤い、不眠、口が苦いなどの症状を兼ねます。漢方で風の症状(震えや揺れ、血圧の上昇など動きのある症状)は、五臓の中の肝と関係していると考えます。肝の陽気が風の性質をもって異常な勢いで上に亢進することを肝陽上亢と言います。肝陽が上に亢進するので、血圧が上昇します。随伴症状は上記のように頭部や顔面部の諸症状が現れます。
肩こり・便秘があり運動不足で太っている瘀血痰湿タイプ
顔や唇の色が暗い、手足の冷え、頭痛や関節痛、女性の生理痛など血行が悪い症状が現れます。
中医学では、健康維持のための「血管力」について、血管だけではなく、血液の量、質、流れる力も含めて重要と捉えています。血管の弾力性が足りていなければ、体の隅々まで栄養や酸素を送ることができません。また、コレステロールや中性脂肪、血糖などが高く血液がドロドロになると、流れも悪くなります。血液が流れにくい「瘀血」状態が続くと、健康寿命に影響を及ぼす恐れがあります。高血圧は瘀血を原因とする最もよく見られる病態の一つです。
のぼせて目が充血し怒りっぽく尿の色が濃い陰虚陽亢タイプ
手のひら、足の裏、胸のあたりが火照ってイライラするなど、体に熱がこもっている症状が現れます。この熱は体の潤い栄養不足から発生します。ケトルでお湯を沸かすとき、水の量が少ないとすぐ沸騰しますよね?同様に身体の潤い不足からも熱症状が発生します。そのため肌がカサカサし、空咳、目の乾燥、口や喉が渇き、便がコロコロして硬いなどの症状も表れてきます。
高血圧とその随伴症状におすすめな体質別漢方薬
次に、これから体質別のお勧めの漢方薬をご紹介します。
肝陽上亢タイプ
高血圧の原因となっている肝陽の上亢を鎮静させます。天麻、釣藤、石決明、菊花、柴胡などの生薬を主に使用します。
おすすめの漢方薬の一例:大柴胡湯、釣藤散、降圧丸、柴胡加竜骨牡蛎湯など
瘀血痰湿タイプ
高血圧の原因となっている血の滞りを巡らせ、脳に気血が十分供給されるようにします。牡丹皮、桃仁、赤芍薬、桂枝、丹参、川芎、紅花、木香、香附子などの生薬を多く用います。めまいの原因となっている痰湿を取り除き、痰湿の発生の源である胃腸のコンディションを整えます。半夏、陳皮、茯苓、白朮、生姜などの生薬も多く用います。
おすすめの漢方薬の一例:冠元顆粒、血府逐瘀丸、温胆湯など
陰虚陽亢タイプ
身体の潤い栄養を養うことによって、陰虚による虚火を治めるという対策を取ります。生地黄、天門冬、麦門冬、芍薬、当帰、亀板膠、鼈甲膠、阿膠、枸杞子、女貞子、旱蓮草などの生薬を主に使用します。
おすすめの漢方薬の一例:滋陰降火湯、亀鹿仙、天王補心丹、杞菊地黄丸、二至丹など
まとめ
まず、軽い運動はどの体質の高血圧にもおすすめです。神経が高ぶるなら太極拳やヨガなどゆったりした運動を、血行が悪いなら軽い運動をこまめに毎日行うのがお勧めです。
熱がこもっているタイプは運動だけでなく、香辛料やアルコールを控えて熱症状を悪化させないことも大事です。
普段の生活を整えることで漢方薬の効果もよりよくなりますよ♡
特に注意すべきは健診などで130~139/80~89の「高値血圧」と指摘された人や喫煙者、お酒を多く飲む人、肥満やメタボリックシンドローム、糖尿病や心臓の疾患を持つ人などです。血圧は年齢とともに高まり、50代を過ぎると高血圧の有病率が高まるので、特に50代になったら健診などでは問題なくても血圧を測る機会を設けることをおすすめします。
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