「冷え性」とは、検査や診断時では特別な異常が現れていない状態にもかかわらず、身体が冷えている状態のことをいいます。そして血流が悪くなることで起きてしまう症状の一つです。
血行が悪くなると身体に必要な酸素・栄養素が行き届かなくなってしまうだけではなく、蓄積されている老廃物も排出されなくなります。そのため、冷え性になると色々な不調が現れやすくなります。中でも、「手足の冷え」はよく見られる不調の一つです。
冷え性の種類
手足の冷えだけでなく、冷えの部位の違いなどによっていくつか冷えの種類があります。一つずつご紹介します。
四肢末端型
10代から20代の女性に多い冷え症です。とくに過度なダイエットや栄養不足が原因であることが多いです。食事の量が少ない、運動不足などの生活習慣により体内の熱量が不足しているため交感神経が過剰に働き、手先や足先が氷のように冷えます。
また、近頃かき氷がブームですが、冷たいジュース、生ビール、サラダ、果物、刺身など日本では冷飲冷食が非常に多いこと、過度な冷房なども関係していると思います。
このタイプの冷え症は、ただ手足を温めるだけではなかなか改善されません。なぜなら、人間の体はまず内臓を温めようとして、体の中心に血液を集中させます。その結果、末端である手足には十分な熱が行き渡らなくなってしまうのです。
まずは内臓を温めることを意識して、お腹や腰などの保温を心がけて身体全体に温かさを伝えるようにしましょう。ほかの症状として、肩こりや頭痛もよく起きます。
下半身型
このタイプは骨盤の歪みが原因である場合が多いです。姿勢の悪さや、同じ方向を向いての就寝、同じ方に足を組むこと、長時間のデスクワークなどが原因で身体や骨盤が歪んでしまいます。そうすると下半身の血行が悪化し、代謝が悪くなってしまうのです。
さらにお尻や太ももに蓄積される老廃物がセルライトという固まりになってしまい、身体の冷えがますます酷くなります。
常に正しい姿勢を意識し、半身浴、こまめなストレッチなどで代謝を良くしていくように心がけましょう。また下半身型の人の熱容量は普通の人と変わらないため、下半身は血流不足で冷える一方、上半身は血流が多すぎることで熱くなる、いわゆる「冷えのぼせ」という状態になることがあります。
内臓型
自律神経の乱れが原因で手足の血管が収縮できなくなり、内臓に血液を集めることができず、内臓が冷えてしまうタイプです。このタイプは手足の冷えが発生していないケースもあるので、冷え症と自覚できないことがあります。
しかし下痢や倦怠感、風邪などの症状があったら、この内蔵型の冷え症の可能性が高いです。後述する体を温める食べ物を摂取することで、内臓の冷えを改善予防しましょう。
全身型
基礎代謝の低下が原因で、体全体が冷えるタイプで、体温は常に低いのが特徴。体質、ストレスや生活習慣の悪化によって、極端な体力低下が原因となって起こります。冷え症である自覚症状があまりないのですが、免疫力低下や甲状腺機能低下症などの病気などが潜んでいる可能性もあるので、医療機関で検査が必要です。
冷え性の主な原因
冷えはどうして起こる?
病気がないのに冷えが起こるのは、「体の中でつくられる熱の量が少ない」ことと、「つくられた熱を体の隅々まで運ぶことができない」ことが原因だと考えられています。さらに、体温調節を行う自律神経のバランスが崩れると、冷えが助長されます。
冷え性の主な原因は以下の通りです。
つくられる熱の量が少ない
食物は体内で消化・吸収されてエネルギーを生み、筋肉や肝臓などで熱に変換されて体温維持に使われる。特に筋肉は最も多くの熱を生み出します。そのため、「運動不足で筋肉量が少ない」「食事の量が少ない」「胃腸が弱い」などが冷えの原因となります。
つくられた熱をうまく運べない
体内で十分な熱がつくられても、「動脈硬化」「貧血」「血液粘度が高い」などの原因で血流が悪くなると、体の隅々まで熱が運ばれずに冷えが起こります。
自律神経の乱れ
身体の体温をコントロールしているのは自律神経です。自律神経には、活動時に優位になる交感神経と、休息時に優位になる副交感神経があります。自律神経の働きで、活動時には発汗促進や血圧上昇、未梢血管の収縮による手足の冷えが起こり、休息時には発汗抑制、血圧降下、末梢血管の拡張で手足が温まります。
しかし、ストレスなどで交感神経から副交感神経への切り替えがスムーズにいかないと、手足が冷えたままの状態になりやすくなります。
更に近年はエアコンなどの影響で季節関係なく、快適に室内で過ごせるようになった結果、気温に対する感覚が鈍くなり、自律神経が乱れやすくなりました。
また、腸の運動も自律神経によって左右されものです。そのため自律神経が乱れると下痢・便秘も起きやすくなり、基礎代謝も低下してしまい、冷え症へ繋がってしまいます。
筋力の低下
運動不足が続いてしまうと筋肉が衰えてしまい、血行が悪化します。とくにふくらはぎは血液を心臓に戻すためのポンプとして機能しています。ふくらはぎの筋肉が落ちてしまうとポンプ機能も衰えてしまうので、きちんと運動する習慣を作りましょう。
冷え症が男性より女性に多いのは、筋肉量が少なく、熱を作る力が弱い人が多いからです。また、女性は一度冷えると温まりにくい性質を持つ脂肪が多いことも、原因の1つです。
食生活の乱れ
栄養バランスが偏った食習慣が続いてしまうことでミネラルやビタミン不足になりやすく、血の巡りが悪くなります。
鉄分不足
鉄分不足は生理のある女性がなりやすいです。また、過度なダイエットなどが原因でも鉄分不足に陥ってしまいます。この状態が続けば、いずれ貧血を起こします。貧血は血液中の赤血球が少ない状態のことで、赤血球は酸素を運搬する役目を担っています。
すなわち赤血球が少ない血液は酸素を運搬する力がなく、結果として体力不足、疲れやすく、手足が冷える状態を作ってしまうのです。
子宮・卵巣と月経
更に女性は子宮や卵巣があるため、腹部の血流が滞りやすい傾向に。また、月経時は排出される血液が多く、熱を伝える血液が末端まで届きにくいため、冷えを招きます。
ホルモンバランスの不調
更年期を迎える人に多い、ホルモンバランスの乱れによる自律神経の不調も、冷え症の原因の1つ。これも女性に多く関係する事です。ホルモンのバランスが崩れることによる自律神経の不調、これが原因で冷え症になります。
基礎代謝の低下
生命活動を行うのに欠かせない、必要最低限のエネルギーを「基礎代謝」といいます。基礎代謝が低くなると体温が低くなり、冷え症が起きやすくなります。
薄着や衣類のしめつけ
スカートなどの露出が多い服装や薄着は、体を冷やしてしまう原因の1つです。さらに、締め付けの強い下着や、タイトな衣類を着用すると、血流が滞り、冷えの原因になります。
喫煙
喫煙習慣があると血管が急に収縮することが多くなるので、血液の流れを悪くするとともに、基礎代謝も低下させ、冷え症が起きやすくなります。
男性の冷え性の原因
男性も加齢によって筋肉量の低下、臓器機能の衰えなどにより熱を発することが出来なくなり冷えを感じます。高齢の男性では頻尿の原因にもなります。
冷え性の背後に潜む病気に注意
冷えは、特に病気はないのに起こる場合がほとんどですが、何らかの病気が冷えの原因になることもあります。心不全などの心臓病、閉塞性動脈硬化症などの血管の病気、 甲状腺機能低下症、強皮症などの自己免疫性疾患を見逃さないことが大切です。
「指先が白くなる」「動悸や息切れがある」「手足がしびれる」「片側の手や足だけが冷えて痛む」などに気づいたら、早めに受診しましょう。
冷えが引き起こす体の不調
冷えがあると血流や代謝が悪くなり、頭痛や肩こり、腰や膝の痛みが誘発されたり、胃腸の働きが低下して便秘や 腹痛が起こったり、月経痛がひどくなったりすることがあります。更年期の女性には、手足は冷えるのに上半身はのぼせる「冷えのぼせ」が起こりやすくなります。
また、冷えと関係が深いとされる膀胱炎、関節リウマチ、 アレルギー性鼻炎などの病気 が悪化する場合があります。
冷え性の改善・対策方法
では、これら冷え性の諸症状を改善するにはどうすれば良いか、以下で改善・対策方法をご紹介します。冷え症の改善には、体を温める工夫を生活に取り入れることが大切です。
朝に一杯の白湯を飲む
朝は一日の中で最も水分が失われているので、白湯を吸収しやすく、体温が最も低いため白湯によって体が温まりやすいです。
朝食をとる
体を温める熱源は食物です。体温や代謝を高めて体を目覚めさせるために朝食は必ず食べましょう。 朝がゆなど、消化がよくて体が温まるものがお勧めです。
運動で筋肉を増やす
運動によって筋肉を増やすことが重要です。筋肉は体内の熱の約6割を生成する役割を果たしています。特に女性は筋肉量が少なく、体温を保つ能力が低いため、運動は必要です。又運動は血行を改善し、新陳代謝を促進し、体温を上げる助けとなります。
ハードな運動ではなく、日常的なウォーキングや軽いストレッチでも効果があります。腹筋運動やスクワット、ウォーキングなどの習慣化が重要です。
リラックスする
リラックスすると未梢血管が拡張し、手足が温かくなります。「ぬるめのお風呂にゆっくり入る」「好きな香りや音楽を楽しむ」など、自分なりのリラックス法を見つけましょう。
入浴・半身浴
毎日湯船に入らずシャワーで済ます方も多いですが、お風呂につかって体を温めるのが冷え性改善に最も良い方法のひとつです。38℃~40℃くらいのぬるめのお湯に入浴しましょう。じんわり汗をかくくらいまで、少し長めにお湯につかると良いでしょう。
副交感神経が働いて血管が拡がり、血行が良くなります。リラックスして体の芯から温めましょう。
温かい飲み物を飲む
寝る前に温かい飲み物を飲むと、寝つきがよくなります。カフェインを含むものは避け、くず湯やしょうが湯、カモミールティーなどを。アルコール飲料は少量にとどめます。
冷暖房や衣服の調節
冷房が効いたオフィスなど自分で温度調節ができない環境では、 重ね着をして体が冷えないようにします。腹巻きやカイロで腹部を温めるのも有効です。
靴下を履いて寝る
良質な睡眠は、体質改善において大切です。冷えて眠れない場合は、靴下を履いて寝ることで、快眠に繋がります。ただし、足に汗をかいてむれてしまうと、逆効果になることも。靴下は通気性が良く、締め付けが少なく、レッグウォーマーのようにつま先が開いているものがお勧めです。
マッサージ
指先のマッサージを行うと、指先の血行が良くなり、肩こりや疲れ、倦怠感が取れやすくなります。体温も上がるため、毎日入浴後などにマッサージする習慣を作りましょう。
呼吸
深くゆっくりと呼吸を行うことで、副交感神経が活性化し、体が温まります。ふーっとお腹をへこませて吐いたら、吐くのをストップしましょう。すると自然にお腹が膨らんで、肺に空気を取り入れることが可能に。5分繰り返すと体が少しポカポカしてくるはずです。
漢方薬で体質改善
昔から 漢方では冷えを治療対象にしています。漢方薬による治療 を希望する場合は、漢方の専門医や内科、婦人科の医師を受診して相談しましょう。市販の漢方薬を利用する場合は、 漢方薬局の薬剤師に相談するなど、自分に合ったものを選びましょう。
また冷え症治療のために、西洋薬では血流を改善するビタミン製剤や抗血小板薬などが使われることもあります。
冷え性に悩んでいる方へ
以上、冷え性のタイプ、原因と改善・対策についてご紹介しました。上記の対策でも冷えが改善しない場合は、漢方の服用もご検討くださいませ。漢方は一人一人のご体質ご体調に合ったものでなければ効果が期待できない為、服用される際は漢方薬局の専門家に詳細ご相談されることをお勧めします。
冷え性で悩まれている方は、是非イスクラ薬局にもお気軽にご相談くださいませ♡まずはメール相談をご希望でしたらお試しプレ相談、ご予約でしたらお電話もしくはご予約フォームから承ります♡
冷えは、特に病気はないのに起こる場合がほとんどですが、何らかの病気が冷えの原因になることもあります。心不全などの心臓病、閉塞性動脈硬化症などの血管の病気、 甲状腺機能低下症、強皮症などの自己免疫性疾患を見逃さないことが大切です。
「指先が白くなる」「動悸や息切れがある」「手足がしびれる」「片側の手や足だけが冷えて痛む」などに気づいたら、早めに受診しましょう。
冷えが引き起こす体の不調
冷えがあると血流や代謝が悪くなり、頭痛や肩こり、腰や膝の痛みが誘発されたり、胃腸の働きが低下して便秘や 腹痛が起こったり、月経痛がひどくなったりすることがあります。更年期の女性には、手足は冷えるのに上半身はのぼせる「冷えのぼせ」が起こりやすくなります。
また、冷えと関係が深いとされる膀胱炎、関節リウマチ、 アレルギー性鼻炎などの病気 が悪化する場合があります。
冷え性の改善・対策方法
では、これら冷え性の諸症状を改善するにはどうすれば良いか、以下で改善・対策方法をご紹介します。冷え症の改善には、体を温める工夫を生活に取り入れることが大切です。
朝に一杯の白湯を飲む
朝は一日の中で最も水分が失われているので、白湯を吸収しやすく、体温が最も低いため白湯によって体が温まりやすいです。
朝食をとる
体を温める熱源は食物です。体温や代謝を高めて体を目覚めさせるために朝食は必ず食べましょう。 朝がゆなど、消化がよくて体が温まるものがお勧めです。
運動で筋肉を増やす
運動によって筋肉を増やすことが重要です。筋肉は体内の熱の約6割を生成する役割を果たしています。特に女性は筋肉量が少なく、体温を保つ能力が低いため、運動は必要です。又運動は血行を改善し、新陳代謝を促進し、体温を上げる助けとなります。
ハードな運動ではなく、日常的なウォーキングや軽いストレッチでも効果があります。腹筋運動やスクワット、ウォーキングなどの習慣化が重要です。
リラックスする
リラックスすると未梢血管が拡張し、手足が温かくなります。「ぬるめのお風呂にゆっくり入る」「好きな香りや音楽を楽しむ」など、自分なりのリラックス法を見つけましょう。