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この症状って?

免疫力を高めるおすすめの食べ物とその理由を解説!食べ方についても

最近、免疫学の発展から多くの病気が免疫の異常と密接な関係があることが分かってきました。
よく見がける病気では花粉症、リウマチ、アトピー性皮膚炎、肝炎などで、ガンや老化までもが免疫異常から来るものであると考えられています。
「免疫力」はテレビや雑誌でも多く取り上げられるようになりましたが、では、そもそも免疫とはいったいどのようなものなのでしょうか?

この記事では、免疫力とは何か?そして免疫力を高めるおすすめの食べ物とその理由を解説します。

様々な食材

免疫力とは?


「異物」だけを排除する生体の防御反応

免疫とは身体に初めから備わっているものとそうでない「異物」とを区別して、 異物だけを排除、攻撃しようとする、 生体の防衛反応です。 このメカニズムは極めて複雑ですが、 骨髄を起源とする血液の中の細胞が中心になり、これに脳内物質、ホルモン、 自律神経など様々な要素が関与して、調節されていると考えられています。

例えば、けがをして細菌やウイルスなどが身体に入り込もうとすると、白血球の一種である好中球が細菌を攻撃します。 続いて貪食細胞とも呼ばれるマクロファージが攻撃を始め、何百もの細菌を食べてしまいます。これは血液の中にも含まれていますが、 リンパ節、肝臓、脾臓、肺などにも多く分布しており、ガン細胞も食べてしまうことが分かっています。

けが程度の細菌やウイルスでしたら、好中球やマクロファージだけでも充分に身体を守ることができるのですが、 強い細菌、ウイルスなどが侵入すると、さらに多くの免疫システムが発動します。

その中でも重要な働きをするのがT細胞、B細胞、それにNK(ナチュラルキラー)細胞です。病原菌が体内に入るとB細胞はT細胞の援助を受けて、抗体、補体などを作り、攻撃を始めます。そしてウイルスにすでに感染した細胞はT細胞とNK細胞が退治してくれます。

ここに出てきたマクロファージ、B細胞、NK細胞はみな骨髄で出来た多能性幹細胞というものが起源であり、T細胞はさらに胸腺で生育したものです。 中医学では「腎(下記詳述)が健全でなければ骨髄、胸腺などは正常に機能しないと考えています。



免疫力を高めるおすすめの食べ物


免疫力を高めるためには、栄養バランスのとれた食事が重要です。以下は、免疫力を向上させるおすすめの食べ物とその理由、食べ方、注意点についての詳細です。

現代栄養学から見たお勧めの食べ物

ビタミンCを多く含む食べ物


  • 食品例: オレンジ、イチゴ、キウイフルーツ、ブロッコリー、じゃがいも、さつまいもなど。
  • 理由: ビタミンCは抗酸化作用があり、免疫細胞の機能を向上させ、感染症に対する抵抗力を高めます。
  • 食べ方: 新鮮な果物や生野菜から摂取することが効果的です。調理時はできるだけ軽く加熱するとビタミンCの損失が少なくなります。

  • 亜鉛を含む食べ物


  • 食品例: 牡蠣、豚レバー、牛赤身肉、豆類、ナッツ類など。
  • 理由: 亜鉛は免疫機能の正常な運営に必要であり、抗菌作用もあります。亜鉛不足は免疫機能の低下につながります。
  • 食べ方: 肉や貝類などの動物性食品からも、大豆や豆腐などの植物性食品からも摂取できます。

  • ビタミンDを摂取


  • 食品例: 魚(サケ、サンマ)、卵黄、キノコなど。
  • 理由: ビタミンDは免疫細胞の活性化に寄与し、感染症予防に役立ちます。また、太陽光を浴びることでもビタミンDを生成できます。
  • 食べ方: 魚を食べたり、卵黄を摂ることでビタミンDを補給できます。ただし、過剰な摂取は避けるべきです。

  • プロバイオティクスを含む食べ物


  • プロバイオティクスとは?: 腸内フローラのバランスを改善することによって人に好影響を与える生きた微生物
  • 食品例: ヨーグルト、発酵食品(キムチ、納豆、漬物)、乳酸菌サプリメントなど。
  • 理由: 腸内細菌のバランスを整え、免疫システムの調整に寄与します。
  • 食べ方: 日常的にプロバイオティクスを含む食品を摂ることが重要です。

  • 抗酸化物質を摂取


  • 食品例: 緑黄色野菜や果物、緑茶、大豆、ごま、そば、エビ、カニ、鮭、マスなど。
  • 理由: 抗酸化物質は体内の酸化ストレスを軽減し、細胞を守り、免疫機能をサポートします。
  • 食べ方: 毎日の食事に新鮮な果物や野菜を取り入れ、緑茶を飲むことがおすすめです。

  • 注意点


  • 過剰な栄養素の摂取は逆効果となります。バランスの取れた食事を心掛けましょう。
  • 食事だけでなく、十分な睡眠と運動も免疫力向上に効果的です。
  • 個々の健康状態やアレルギーに留意し、食事療法を行う場合は医師や栄養士に相談してください。



  • 漢方の食養生


    中医学が考える免疫システムとは?
    正気(せいき)の不足と邪気(じゃき)の強さ
    中医学では身体を構成し生命活動を維持するのに必要な物質と人体の抗病能力を正気(せいき)と呼んでいます。また、この正気のバランスを乱し、病気にしてしまうものを邪気(じゃき)と呼びます。 このため、病気になる原因には、 邪気が強すぎる場合と、正気が弱すぎる場合の二つのケースが考えられます。
    したがって漢方で病気の対策をするには⋯⋯
    まずその病気の原因が 正気の不足(免疫力の低下)にあるのか、 邪気(ウィルス、細菌など)が強すぎて引き起こされたのか、判断する必要があります。
    身体を病気から守る衛気(えき)
    衛気の根源は腎にある
    正気の中でも、病気から身体を守る働きのある気を衛気(えき)と言います。衛気は、邪気と戦い、私たちを病気にならないようにしたり、病気を治すことができます。にはと呼ばれる生命活動の根源となる物質が蓄えられています。
    この精は両親から受け継いだもので、生長、発育、生殖、老化などに関与しています。この精が基礎となって衛気が作られます。
    したがって、 生まれつき病弱であったり、過労や高齢のため体力が低下すると、衛気の材料である腎精(じんせい)の不足から衛気を作ることができなくなります。
    中医学でいう腎(じん)には腎臓、副腎のほか、骨、骨髄、胸腺、脳下垂体などの働きも含まれており、現代医学ではこれらは免疫細胞の生成や調節と密接な関係があるとしています。
    足腰がだるい、骨が弱い、精力減退、排尿困難などの症状が見られる場合は、腎を強化する補腎薬(ほじんやく)と呼ばれる漢方薬で、腎精を補う必要があります。
    衛気は脾(胃腸)から 栄養を受ける
    現代医学でも脾臓は免疫と密接な関係があると考えられています。中医学でいうは脾臓のほかに胃腸の働きも含まれています。腎で生まれた衛気は脾(胃腸)から栄養を受け取ることにより、強い衛気になることが出来ます。
    食欲不振、食後お腹が脹る、食後眠くなる、軟便、手足に力が入らないという方は脾の働きが低下している可能性があります。また、食事を充分に摂ることが出来ないと病気によって破壊された組織をなかなか修復することができないので、病気や傷が治りにくくなります。
    中医学でいうところのにはエネルギー、機能という意味があり、脾の機能が低下した状態を脾気虚と言います。
    衛気は肺の働きで 全身に運ばれる
    多くの邪気は 皮膚や粘膜から侵入する
    強くなった衛気は、邪気と戦うため全身に運ばれます。多くの邪気は皮膚から、あるいは鼻などの粘膜から身体の中に侵入してきますから、 衛気はこのエリアを中心に警備する必要があ ります。 には、気を全身に運ぶ働きがあります。
    また、皮膚や鼻と密接な関係があり、衛気をコントロールする指揮官の役目をになっています。  この働きが低下すると、汗をかきやすい、カゼをひきやすい、息切れ、肌が弱いなどの症状が出てきます。
    逆に言えばこれらの症状がある場合は、肺の機能が低下しているので、気を補う補気薬と呼ばれる漢方薬で対策します。
  • 補腎作用のある食材:黒米・黒豆・山芋・枝豆・カリフラワー・キャベツ・キノコ類・にら・ブロッコリー・ブルーベリー・カシューナッツ・クルミ・栗・黒ごま・松の実・あわび・いくら・うなぎ・えび・貝柱・カツオ・サザエ・ししゃも・スッポン・すずき・鯛・太刀魚・なまこ・ホタテ・マナガツオ・ムール貝・烏骨鶏(肉・たまご)・うずら(肉・たまご)・くじら肉・鹿肉・鶏(肉・卵・レバー)・豚肉・ココナッツオイル・ローヤルゼリーなど

  • 炒り黒豆

  • 健脾作用のある食材:赤米・うるち米・燕麦・きび・黒米・玄米・発芽玄米・米麴・はとむぎ・ひえ・もち米・さつまいも・じゃがいも・タピオカ・むかご・八ツ頭・山芋・黒豆・大豆・納豆・ひよこ豆・枝豆・オクラ・かぼちゃ・カリフラワー・人参・さくらんぼ・なつめ・ライチ・りんご・栗・アジ・イワシ・舌平目・スズキ・鯛・鱧・ヒラメ・ぶり・うずら(肉・たまご)・鴨肉・牛肉・牛の胃・クジラ肉・鶏の砂肝・馬肉・烏骨鶏の卵・卵黄など

  • カボチャ

  • 補肺作用のある食材:きび、もち米、納豆、エシャレット、きくらげ、しめじ、にんにくの芽、ツバメの巣、どじょう、烏骨鶏の肉、ココナツオイル、水飴、甘酒、ココア、カカオ、豆乳、牛乳など
    梨と梨断面のセット


  • 免疫力を高めたい方へ


    以上、免疫力の概要、免疫力を高めるおすすめの食べ物を現代栄養学と漢方食養生の両面からご紹介しました。実は漢方薬による体質改善もおすすめの免疫力を高める方法です。

    免疫力のお悩み、どうぞイスクラ薬局にもお気軽にご相談くださいませ♡まずはメール相談をご希望でしたらお試しプレ相談、ご予約でしたらお電話もしくはご予約フォームから承ります♡
    監修
    佐藤薫
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    上海外国語大学留学中に中医薬膳に出会い、帰国後北京中医薬大学日本校に入学。中医薬膳専科で中医薬膳学、中医中薬専攻科で中医学を学ぶ。現在、イスクラ薬局日本橋店での漢方相談のみならず、日本中医食養学会講師、北京中医薬大学日本校で中医中薬専攻科での通訳を務める。体の基礎を作る食事からしっかり指導できる学会認定不妊カウンセラー。

    「食養生は、中医養生法の礎となるものです。漢方同様、お一人お一人の体質体調に合った食養生法をご提案します。」

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