こんにちは。車田です。
私は、店頭では皮膚のトラブルを専門で見ることが多いため、皮膚についてのあれこれを書いていきたいと思います。
私自身、全身アトピーや蕁麻疹での入院経験があり、皮膚が弱いことを自覚しています。ちょっと疲れるとすぐ皮膚に出るので、ある意味わかりやすいとも言えますが、もっと早く身体からのサインに気がついて対処できれば、悪化させずにすみますよね。もともと皮膚が薄くて弱い方は、きちんとお手入れをしてあげれば、逆にとてもきれいな肌づくりが可能です。皮膚トラブルでお悩みを抱えている方々のお役に立てたら幸いです。
第一回目の今回は、季節からみる皮膚シリーズ①として、『春は皮膚病が悪化しやすい』をテーマに書いてみたいと思います。
春になると必ず皮膚疾患が悪化する、春頃をきっかけに症状が出始めた、吹き出物が増える。。などなど、身に覚えのある方はご参考ください。
要因① 春は陽気が活発になる季節
春は身体が夏仕様になるための準備期間。越冬するために溜め込んだものをデトックスする季節です。皮膚は身体において最大の解毒器官とも言われていますので、特に症状が出やすくなります。
夏と冬とでは、デコルテの皮膚の厚さが数ミリ違う(冬のほうが厚くなる)ということもあるくらい、身体は季節に応じて皮膚のあり方も変化させています。犬や猫と暮らした経験のある方は、毛が生え変わるのをご存知かと思いますが、それと同じようなものですね。暖かくなると、自然界の陽気と呼応するかのように、体内の陽気も動き始めます。これは個人の体質という域を超えて、春を生きる身体全てに働きかけてくる自然の摂理といえます。
要因② 自律神経の乱れ
要因①と関係することなのですが、体内の陽気といっても特に影響を受けるのが肝の陽気です。なぜなら、春という季節は肝の苦手とする季節であり、弱りやすくなるからです。冬の間にしっかり腎陰を養えていなかった場合、春になって肝陽が暴走するというパターンもよくあります。
春は春一番などの強い風がふきますよね。これは冬と夏の境目に当たる時期なので、寒暖差が生まれやすく、それにより気流が乱れやすいからです。秋の台風も同じです。そして、肝はこの風が苦手。春先の頭痛や目眩、不眠、皮膚でも上半身が悪化しやすいなどの症状がでます。(もちろんすべての方に言えることではありません)肝陽は上昇し体内でも風を起こすのです。
そして、肝は自律神経と関わりが深く、自律神経系のトラブルも起こりやすくなります。これにより睡眠障害なども誘発され、免疫異常を引き起こすといった悪循環も生まれやすくなります。
要因③ 花粉
春の厄介者としてあげられるのが花粉。花粉症ではなかったとしても、寒暖差も手伝って春先に喉の粘膜をやられるところから風邪をひく方はとても多いです。東京都内は特に、花粉が空気中のPM2.5などの塵芥とくっついてしまうところから、花粉にアレルギー反応がなくても、花粉症様の症状が出るとか、もともと花粉症の方は余計にひどくなるパターンもあります。
要因④ 食事
すでに食事に気をつけていらっしゃる方は読まなくて大丈夫です。食事はすべての基本になるので、皮膚に限らずですが、一応おさらいです。
この時期は、特に体内に毒素を溜め込まないことです。溜め込む要因となる食材は以下のものになります。
【毒素を溜め込む食材】
乳製品、小麦食品、加工食品全般、菓子パン、アルコール、脂っこいもの、辛いものなど
これらに気をつけ、なるべく自炊するようにすると、そもそも体内に入ってくる毒素が減るので、炎症は最小限に抑えられます。
【まとめ】
要因についてはご理解いただけたかと思うのですが、実際の体内状況をご自身できちんと判断するのは難しいと思います。漢方を服用されるなら、お近くの漢方専門薬局へ行ってご相談いただきたいですし、漢方以外の健康法を試すにしても、個人個人の体質が違うということを理解した上で、専門家の意見を聞きながら、体の調整をしてみてくださいね。
これから気持ちの良い季節に入っていきますし、今年のGWは長いので、この機会にご自身の養生法を確立してみても良いかもしれませんね!
ブログ日記BLOG
中医学 の記事一覧
季節からみる皮膚シリーズ① 春は皮膚病が悪化しやすい
2019/04/13
月経前や月経中にイライラ、落ち込む、泣ける ~タミーの月経講座~
こんにちは!タミーこと田宮です!
今回のタミーの月経講座は 「月経前や月経中にイライラ、落ち込む、泣ける」 ことについてお話します。
2019/04/12
もーりー先生の春、イライラ、不安、ストレス対策講座
こんにちは!もーりーこと鮎澤です!
桜のつぼみも緩んできました。桜の花芽は前年の夏に生まれ、一旦眠りにつき、冬の寒さに一定期間さらされ、目覚め、花を咲かせるとのことです。寒さの試練がないと逆に開花が遅れるそうです。試練も大切な時があるのですね。でも良い試練を選択したいものです。
《春のイライラ、不安、ストレスはなぜ発生するのか?》
春は新たな生活に期待がふくらむ反面不安もありますよね。
この季節はストレスによるダメージでココロやカラダを崩しやすくなることが多くなります。ストレスにより「気」がみだれてココロのバランスが崩れカラダのバランスも崩れてしまうのです。春は肝(かん)という臓腑(ぞうふ)の機能が失調しやすい季節です。肝はストレスを処理する臓腑と考えられてます。そして「気」のめぐりを乱れることなくスムーズに巡らす事をコントロールし、発散もさせる働きがあります。また肝は血(けつ)の貯蔵庫であり、体に栄養や潤いを与えることで、ココロを安定させる働きがあります。
肝についての詳しい話はこちら
《ストレス対策をタイプ別にご紹介》
それでは肝が機能が失調するとどのような症状が発生してしまうのか?詳しく解説しますね。そして今回のタイトルであるストレス対応力を高めましょう!!
1 気滞(きたい)タイプ
前述のとおり、肝はストレスを受けやすい臓腑です。ストレスを受けて肝の”気を巡らす機能”が失調するとココロとカラダの不調へとつながります。またこのタイプの方はストレスの影響を強く受けてしまうタイプです。ストレスの緩和を中心に生活されるとよいと思います。
気滞タイプの方の症状は、情緒の状態によりストレスを強く感じる(例えば匂いに敏感になる)、イライラ、憂うつ、怒りっぽい、情緒不安定、PMS(月経前症候群)、月経不順、胃痛・胃もたれ、下痢や便秘などが発生します。
気滞タイプの方にオススメの食材は香りのよい野菜類、柑橘系果物、ミント、香草、春菊、セリ、クレソン、竹の子などです。オススメの飲み物は玫瑰花(まいかいか)茶、ジャスミン茶、菊花茶、カモミールなどです。
2 血虚(けっきょ)タイプ
「血」は、臓腑や組織に栄養を与え、ココロを安定させる働きがあります。血が十分にあり身体の隅々までめぐり、カラダの栄養状態も良く、ココロも安定します。ですが食事の不摂生、過激なダイエット、月経、出産、加齢などにより血が不足すると、肝の機能が失調し、ストレスを上手くコントロール出来なくなります。
血虚タイプの方の症状、日頃から不眠や不安感に悩まされる、クヨクヨし打たれ弱い、判断力が鈍い、動悸、めまい、月経不順、薄毛、爪が割れやすい、顔色が白く艶がない、舌が淡い色などが発生します。
血虚タイプの方にオススメの食材は、なつめ、クコの実、鶏肉、卵、鮭、レバー、人参、ほうれん草、小松菜、黒砂糖、黒ごま、ぶどうなどです。
《春のイライラ、不安 「気」の不足にもご用心》
「気」はココロとカラダの元気を保つエネルギー源であり、気力や精神力の源です。したがって春のイライラ、不安には気の不足にも注意が必要です。気は脾胃(ひい 消化器系のこと)が食べ物を消化吸収することで生み出されます。したがって食事の不摂生、病気、ダイエット、胃腸不良などで「気」を消耗するとココロとカラダに元気がなくなり、ストレスへの対応力が弱くなります。
気が不足すると、ストレスや外圧に弱い、元気がない、声が弱い、疲れやすい、だるい、食欲不振、冷え症、朝が起きにくい、舌が淡い色でむくむなどの症状が発生します。
気が不足を補う食材は、山芋、米、小麦、豆腐、大豆製品、かぼちゃ、じゃがいも、栗、豚肉、牛肉などです。
《最後に》
春は早起きが基本です。
太陽をいっぱい浴び、深呼吸で春の陽気を胸いっぱいに!!
イライラを鎮める働きがあります。
良き試練を選べるカラダに!!
もーりー先生の過去の記事はこちら↓
2019/04/12
百合子先生の婦人科講座 月経前って?
月経前ってこんなことがあるの?
今年はそんなお話をしていきたいと思います。

月経の最初の頃を覚えていますか?
先月来たと思えば、今月はない!など、何がなんだかわからずに急に月経を向え、
思春期は、月経症状がひどくなったり、そうでなかったりした方が多いのではと思います。
ところが、思春期をすぎる頃には、“そろそろ月経になる時期かな!”と思うようになります。
月経がある程度一定し月経前の出来事に頻度を感じでくるからでしょう。
その頃は、身近な人と月経の話もするようになり、
月経前の出来事が相手と違っていたら、え?ええ?っともう大変です。
お互いに、そんな出来事があるの?っと知り合います。
もちろん、保健体育や母の口伝で、月経は“女性の普通の出来事で病気ではない(個人の生理的現象)”であると、
女性なら誰でも知っています。そうですが、月経前から月経も含めて起こる出来事が、
自分と皆が実は同じでないと初めてわかるのです。

異なる月経前の出来事を集合的に表すと、月経前症候群(premenstrual lsyndrome:PMS)と言います。
PMSは。。。
辛くて寝込んでしまう、月経が来ることが憂鬱になるなど症状が重く出ることもあります。
また、同じ症状でも軽い場合はご本人がPMSと気づいていない場合もあります。
すなわち、種類だけでなく個人差や程度があり、非常にデリケートなものなのです。
また、時代と共に、女性の活躍の場が変化し、家庭から会社まで広がりました。
どの場における時間の流れにも、女性は自分の生活リズムと月経のリズムを入れて調整や調和を持つようにします。
調整する環境が多くなったということです。
さて、これから何回かにわたり、いろいろなPMSをご紹介していきます。
私にもあてはまる!
つらかったのはこれだったんだ!
などと共感できることがあれば、少しでも体や気持ちの緩和につながることと思います。
では、第1回目は・・・身痛です。
月経前になると、
・体全体に、
・だるさ
・だるさに伴う痛み
・しびれ
を感じる事があります。
この症状は 身痛 と言われています(中医学的表現)。
全身のだるさは経験された方が多くいらっしゃると思います。
だるさに伴う痛みやしびれは全身に生じるので、程度に関係なくさぞ辛いことと思われます。
他にも
・下腹部にやんわり痛みがある
・めまいや頭暈を感じやすい。
・黄色っぽい顔色をしている
・月経が始まるとだいたい量が多い
こんな症状がでることがあります。

これらの症状は、一見何となく普通にあるような感じがしますが
実は、症状でありながら、身痛の原因にもあてはまります。
女性の体はすごいですよね。
合わせてこちらもどうぞ↓
月経と子宮筋腫5(最終回)
月経と子宮筋腫4
月経と子宮筋腫3
月経と子宮筋腫2
月経と子宮筋腫
2019/04/06
もーりー先生の花粉と戦うための養生講座
こんにちは!もーりーこと鮎澤です!
花粉シーズン到来。2~3月は飛散のピークを迎えます。
今年の花粉飛散量は、前年比で東京都 4.26倍 群馬県 6.83倍 長崎県 3.13倍
など全国的に前年を大きく上回る見通し。花粉症などのアレルギー症状は、体の過剰反応です。
その影響は全身に及び、時間が経過するほど心身のエネルギーを消耗して、疲れ果ててしまいます。
体はアレルギーのもとになる花粉、細菌、ウイルス、化学物質などのアレルゲンに対して、まず目、鼻、皮膚や胃腸などの粘膜が対応します。
そして粘膜が対応することで異物が入り込もうとするのを防いだり、追い出そうとしたりします。
その「防衛システム」を中医学では「衛気(えき)」といいます。
同じ環境にいながら、花粉症にかかる人、そうでない人がいるのは衛気の力の差と考えられます。
中医学の考え方に、体本来の生命エネルギーである「正気(せいき)」の充実は、衛気の強い体に繋がると言います。
「正気」は体内の「気(元気・食い気・やる気などのエネルギー)」と「血(血液・栄養)」がバランスよく充実することで生み出されます。
さて、花粉症と戦うためには「正気(せいき)」とその中でも「衛気」を充実させることが大切。
そして衛気を充実させるには体内時計を意識した生活がとっても大切!!
体はとてもピュア。
朝は免疫力を高めるのに一番効果的な時間であり、昼は動く&休む、メリハリ生活がストレスを和らげ、免疫力アップ、夜は定刻に就寝し、免疫力をチャージすることが大切です。
紀元前202年頃より中国伝統医学で発展させた「子午流注しごるちゅう」という考え方は、臓器が活発に働く時間を表していました。現代で言う体内時計のことです。
【体内時計を意識して免疫力を高める養生法】
◯朝(3~7時)の排便は大切とっても大切です!
3~5時(肺の時間)・・「肺」が動き「気」「血」を全身に巡らせ、目覚めの準備をします。
5~7時(大腸の時間)・・「大腸」が活発に動き出し、老廃物である便を排泄し、食物の受け入れ態勢を整えます。
◯朝食(7~9時)はとても大切です!
7~9時(胃の時間)・・「大腸」から「胃」に「気」「血」が流れ、消化能力が高まります。
9~11時(脾の時間)・・「脾」は消化器系を表し、消化・吸収・活動エネルギーである「気」を生み出し、心身ともに充実し、作業能率を上げます。
◯午後(11~17)に向け心身の活動を少しづつゆるめていく
11~13時(心の時間)・・「心」は精神活動や循環器を司っています。その働きをピークにもっていく時間帯です。
13~15時(小腸の時間)・・「小腸」に気血の流れが移動して栄養の吸収が活発に行われる。
夕食の遅い方は、昼食に、赤(肉・野菜・果物)黄(野菜、果物)緑(葉もの)白(米・穀類)黒(海草・黒ごまなど黒いもの)の5色を イメージして、バランスの良いカラフルな食事を!
15~17時(膀胱の時間)・・「膀胱」の働きが活発となり、尿量が増える時間帯。
◯就寝に向かって心身ともにリラックスな状態を!
17時~19時(腎の時間)・・「腎」は生命の源(免疫・ホルモン・生殖系・・)を司りこの時間帯気血が集まる
19時~21時(心包の時間)・・「心包」は、「心」を保護している膜。喜怒哀楽を司る
21~23時(三焦の時間)・・「三焦」は気血水の働きを調整します。就寝に向かい内臓の働きを鎮めて行く
23~1時(胆の時間)・・「胆」は臓腑の働きをコントロールすると考えられている。睡眠が最も深い時間帯で、体を修復する成長ホルモンが多く分泌され、翌日の活動源となる。
1~2時の就寝が習慣になると、疲れを溜め込んでいくことも
1~3時(肝の時間)・・「肝」は1日の老廃物を解毒して栄養を血に巡らす。気血の働きを正常に保ち、翌日の活動に備える。
「正気」や「衛気」の充実、すなわち24時間の体の働きを知り、養生を心がける。
花粉症に罹らないためにも、症状を軽く抑えるためにも、
ハイブリットなスピード時代ですが、
ピュアな体の本音も聞いてやって下さい!!
もーりー先生の過去の記事はこちら↓
2019/03/14