お腹にガスが溜まる。お腹が張って苦しい。そういったご相談を受けることがあります。健康な人から見ると、そんなのガスが溜まってるだけでしょ?っという情多飲なんですが、この溜まってるガスが抜けないっていうのは、けっこうつらいもんなんですよね。

お腹が張る、この原因はなんなんでしょうか。

 

ガスってどっから来てるの?


食べ物を食べるときに一緒に飲み込んでしまった空気。これも少ないですがお腹が張ってしまう理由の一つです。その他には、胃液が膵液によって中和される時に発生するガス、これもまた少ないですが、原因の一つです。

もう一点、腸内細菌が発生するガスというのがあります。良く聞く善玉菌と言われる乳酸菌や悪玉菌と言われる大腸菌などが【腸内細菌】です。これらの細菌の活動により、二酸化炭素やメタンなどのガスがつくられます。眼に見えないような小さな菌の活動によって発生したガスですが、体内の主なガス発生原因はこれら腸内細菌によるものです。

 

余談ですが、腸の中には、100以上もの種類の細菌がいて、その数はなんと100兆個とも1000兆個とも言われています。腸内に居る最近ぜーんぶを集めてみるとその重さはなんと1キロから2キロにもなるそうなんですが、一つ一つでは重さも何もないようなものが1キロを超える一塊分もあるなんて、驚きというか、ある種気持ち悪ささえ感じてしまいます。

でもこの腸内細菌がいてくれるおかげで、私たちは食べたものを分解して吸収したり、有害物質を無毒化したり、脂肪を分解・消化・排泄したりなど、たくさんの仕事を行えるわけです。ちなみに生まれたばかりの赤ちゃんの腸内は無菌状態です。お母さんの子宮内は基本無菌なので当たり前なんですが、これが生まれて数時間もすると菌に侵されていきます。大腸菌やら腸球菌がふえはじめるんですね。そして赤ちゃんが初めてお母さんの母乳を飲みはじめて、24時間後ぐらいには一気にその数を増やして1000億個にもなると言われています。

 

健康な状態だと、ガスは発生した分ちゃんと排出され、お腹が張るようなことはないのですが、もし増えすぎたり、排出しきれなかったりすると、ガスが溜まってしまって、ゴロゴロとなったり、お腹が張って苦しく、膨満感を感じるようになります。

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ガスが増える原因としては、、、


①早食い
空気を飲み込む量が多くなります。

②悪玉菌の増加
高たんぱく・高脂質の食べ物は、悪玉菌の大好物です。腸の掃除をしてくれるはずの食物繊維も、腸が働きが低下して入りたり、すると逆に悪玉菌のエサになるので注意が必要です。

③腸の動きが弱い
ストレスによって腸がうまく動いておらず、排泄がうまくいっていない場合などでも悪玉菌が増えてしまう原因になりますし、ストレスを感じると緊張スイッチが入ってしまい、消化活動はリラックスしているときに行われているので、腸はうまく働けず、ガスをきちんと排泄できません。


④お腹を締め付けすぎている
きついズボンや、デスクワークなどでずっと同じ体制をしていると、お腹を締め付けてしまい、物理的に腸の動きを邪魔して、ガスも排泄しきれず、溜まりやすくなります。

 


その他、イモ類や豆類などが多いとガスが発生しやすくなったり、コーラなど炭酸飲料もや、下剤の多用による腸の動きの低下、内臓の下垂、ガスが溜まる原因になります。女性では、女性ホルモンの影響によって溜めこみやすい時期があるため、ガスが溜まりやすくなることもあります。

腸閉塞や妊娠、腫瘍、腹水など、実際に詰まってしまっている場合もありますので、一度病院で検査をしてもらうことも忘れないです下さいね。

 




中医学的にみるお腹のはり


中医学では、「張る」症状を、気の流れが悪くなった状態、気滞(きたい)状態と考えています。気は本来、体を駆け巡っているのが正常な状態です。気はエネルギーであり、体を動かす原動力であり、体の働きや機能のことです。気の流れが滞ってしまい、スムーズには流れにくい状態になると、体の働きは低下し、うまく機能しない状態になってしまいます。胃腸の働きも低下してしまうので、ガスの排泄がうまくいかず、お腹が張って苦しくなります。

気の流れが悪くなる原因としては、流れるだけの気が十分にない場合、流れが邪魔されている場合、そして、流れをコントロールしている機能の低下などが考えられます。

 

流れるだけの気が十分にないのは、胃腸機能の低下か、気の原料が足りていないため

胃腸機能が弱っていると、食べたものからしっかり気を作り出せません。また、気の原料となる食べ物をしっかり食べないと、やっぱり足りなくなってしまいます。加工食品が多い食生活は注意が必要です。胃腸は冷たいもの(サラダ、刺身、アイスクリームなど)や水分(飲み物全般、氷の入った飲み物、冷蔵庫から出したばかりの飲み物など)に弱いので、それらが多い人は注意。

 

気の原料になるもの
肉類、朝鮮人参、山芋類、エビ、うなぎ、栗、米、もち米、卵、りんごなど。

 

胃腸機能が弱い人は、
山芋類などをする下したとろろを味噌汁や野菜スープに入れたもの。お好み焼きもおススメ。

普段から冷たいものを避けること。そして良く噛むことを心がける。とにかく温かいものを。

 

 

飲食物の停滞や冷え、気血の滞りが動きを邪魔する


胃腸の処理能力を超えるほどの食べ過ぎや飲みすぎは、消化されない飲食物の停滞や便秘を招きますが、何気ない普段の食事も消化しにくい高たんぱく・高脂質(揚げ物が多い、肉類が多い)のメニューでは胃腸は疲れて、動きも悪くなってしまいますし、未消化のものが停滞してしまいます。冷たいものの摂りすぎや慢性的なお腹の冷え、寒い外気温による冷え、これらも胃腸の動きを妨げ、お腹が張る原因となります。その他、怪我や腹水などでは血や水の流れが滞り、その影響から気の流れも滞ってしまうこともあります。

食後のお腹のはり、ガスやげっぷが出ると楽になる、便秘、吐き気、痰が多い、下痢しやすい、下痢すると楽になるというのこのタイプです。

温かいもの、消化に良いものを食べるようにしましょう。火が通った野菜の多い和食を腹八分目。カタカナの食材やメニューを抜くことも大切です。早食い、大食いは病気の元です。どうしても食べ過ぎてしまう人は、味噌汁や野菜スープなどを先に飲んでしまいましょう。胃が水分で満たされれば、その分食べ過ぎを抑えられます。

 

 

気の流れをコントロールできないのは、肝の機能低下


肝には、情緒の安定や、睡眠など、リラックスさせる機能と、気が体内をスムーズに流れるようにコントロールする機能があります。ストレスが多く、肝に負荷がかかりすぎると、肝は気の流れをスムーズに保てなくなります。その結果、胃腸もうまく動かなくなってしまい、お腹が張ってしまいます。

イライラしやすい人や、ストレスがたまるとお腹が張る、生理前に胸の張りや痛みを感じるというのはこのタイプです。

このタイプは、リラックスが大切ですので、こまめな発散を心がけましょう。ストレスが溜まってしまうと、考えもネガティブになってしまい、さらに落ち込んでしまうので、とにかく早めの発散を。スポーツをする、散歩をする、映画をみる、ゆっくりと半身浴するなども良いでしょう。早めの睡眠も心がけましょう。

 

 

 


 

ストレスが多く、冷たいものや加工食品、ファーストフードなどが簡単に手に入る現代の私たちのライフスタイルは、気の巡りを悪くしてしまいがちです。お腹の張りは、食べ過ぎや、偏食、冷たいものの摂りすぎやストレスなどが中医学で考えられる主な原因です。まずは普段の生活を見直してみてください。食成生活では、気の巡りを助ける食材を積極的に摂りましょう。

気を巡らせるには


香りのある春菊や三つ葉、せり、 セロリ、パセリ等の香味野菜を積極てきに摂るようにしましょう。香り成分が気の巡りを改善してくれます。その他、オレンジ、みかん、春菊、苦瓜、ミント、アサリ、シジミ、イカ、グレープフルーツ、ブドウ、レモン、レバーなどもおすすめです。